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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その五十一

「色々と」
「悪いこともですか」
「それもよ」
 新一君が嫌な思いをしてもと考えて答えました。
「例え嫌な思いをしてもね」
「それでもですか」
「全部種になるから」
 それでと答えました。
「いいわね」
「経験したらいいんですね」
「ええ、何でもね」
 こう答えました。
「そうしてね」
「そうですか」
「堪能の気持ちで受け入れてね」
「いいことに変えていきますか」
「嫌な思いをしてね。ただ新一君は嫌いになったら嫌い過ぎるから」
 全力で嫌うからです。
「嫌なことした相手は物凄く嫌うわね」
「そこが問題ですね」
「その癖性分をなおす為にもね」
 兎に角新一君はこの癖性分が気になるからです。
「そこは注意してね」
「そうさせてもらいます」
「ええ。是非ね」
 こうしたお話をしてでした。
 私達は事務所に戻りました、すると白石さんは少し残念そうに言いました。
「早いね」
「そうですか?」
 私は白石さんのそのお言葉に思わず聞き返しました。
「結構歩いて時間見たら。思ってたより早くても」
「阿波野君何もしなかったんだね」
「まあそれはその」
「奥手だね、阿波野君は」 
 何故か新一君を見て言うのでした。
「積極的にいってもいいんだよ」
「そうですか、ですが」
「出来ないかな」
「僕そういうのはかなり」
「仕方ないね、中ちゃんはこうだしね」
 子供の頃からこう呼ばれる時もあります、名字が中村なので。 
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