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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その四十九

「全く。いつもそう言うから」
「いえ、本当にそうですから」
「私と一緒にいたらなの」
「もう時間があっという間に過ぎていきます」 
 こう言うのでした。
「凄いですよ」
「そうなのね」
「はい、高校に入ってから」
 それこそというのです。
「時間がです」
「過ぎるのが早いの」
「そうなんですよ」
「そんなになの」
「先輩と一緒ですと」
 また私を見てきました。
「それなら」
「どうして私と一緒だとそうなの?ただ時間が過ぎることが早いっていうのは」 
 このことはです。
「いいことね」
「そうですか」
「それだけ充実してるってことよ」
「やることが多くて」
「何もすることがないと」
 それならです。
「時間もね」
「ゆっくりですか」
「そうだっていうから」
「僕の高校時代は充実しているんですね」
「そういうことよ」
 こう新一君に言いました。
「いいことよ」
「光陰矢の如しといいますが」
「それで学問をしろってことだけれど」
 それでもです。
「充実しているってことだから」
「学問をしているからですか」
「時間が進むのも早いのよ」
「遊んでいてもですね」
「遊び方によるわね」
 こちらはです。
「人生の学問の場合もあるっていうし」
「奥華の人でそうしたこと言う人多いですね」
「特に男の人でね」
 何かとです。 
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