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おぢばにおかえり

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第七十一話 詰所の中その四十八

「このこともね」
「頭に入れておきます」
「そうしてね」
 こう新一君に言いました。
「詰所を使わせてもらってね」
「毎日顔に見せに来ますから」
「本当に毎日来てるわね」
「宜しくお願いします」
「ええ、ただね」
 新一君を見て言いました。
「他の人に失礼はない様にね」
「気をつけます」
「と言っても私にだけ馴れ馴れしいみたいだけれど」
 どういう訳かです。
「他の人誰も失礼とか言わないし」
「礼儀正しさは心掛けています」
「じゃあ私には?」
「どうでしょうか」
「全く。まあ兎に角これで案内は終わったから」
「事務所に戻りますか」
「そうしましょう」 
 新一君にあらためて言いました。
「今から」
「有り難うございました」
「お礼はいいわ。奥華の人でしょ」 
 それならです。
「知っていないといけないことって言ったら極論だけれど」
「使わせてもらう場所だからですね」
「だからね」
 それで、です。
「お礼はいいわ」
「そうですか」
「ええ、それとね」
「それと?」
「これから事務所に戻るけれど」
 詰所のです、ここで時計をチェックしますと。
「案外早かったわね」
「そうですか」
「感覚的にもね」
「早く終わりましたね」
「新一君もそう感じてるわね」
「はい、先輩と一緒ですと」
「何でそこで私なのよ」
 そこがわかりませんです。 
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