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星河の覇皇

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第八十二部第三章 国債の発行その十二

「ああいった国々もです」
「一般市民は攻撃せず」
 連合軍の中にアメリカ市民や中国市民、ロシア市民もいたがというのだ。当然ながら連合軍の中で人口の多い国々であるこの国々からの将兵も多い。
「軍隊と戦い」
「そして軍事施設を攻撃していた」
「それだけだったので」
 だからだというのだ。
「連合の復興も容易でしたが」
「それでもですね」
「どうにも腹立たしい」
「蛮人らしくないので」
「衆愚である筈なのに」
 それがというのだ。
 ここでローエンハイムはシェリーニにこうも言った。
「侵略戦争ならです」
「その相手国を徹底的に破壊しますね」
「その多くは」
「そしてその国を自国にする」
「そうしたものですが」
「たとえ自国にせずとも」
 それでもというのだ、尚産業は自分達が後で利用する場合は破壊しないことも多い。その辺りは政治的配慮である。
「やはり相手国の産業は破壊しますね」
「破壊出来る限り」
 ただ敵の軍隊を破るだけでなくだ。
「敵の力を奪う為に」
「そうしますが」
 それがというのだ。
「連合軍はです」
「あえてしなかった」
「それも一切」
 シェリーニも答えた。
「左様でしたね」
「後悔すると思いました」
 ローエンハイムはここでこうも言った。
「彼等は」
「民間施設を置いておいたことは」
「はい」
 それはというのだ。
「民間産業が健在なら」
「それならですね」
「エウロパ経済は復活出来ます」
「そして実際に復活出来ましたね」
「軍需産業が破壊されようとも」
 それでもとだ、ローエンハイムは言うのだった。スパゲティはかなり食べていて残り少なくなっている。
「民間産業があれば」
「国家経済はそこから復活出来ますね」
「そうです、そして実際にです」
「エウロパはそこから復活しました」
「復興すら容易でないとは言われていましたが」
 それでもとだ、ローエンハイムはさらに話した。
「ですが」
「民間産業がほぼ無傷で」
「インフラもです」
 こちらもというのだ。
「連合軍は攻撃しませんでした」
「一切でしたね」
「そうでしたから」
「余計にでしたね」
「経済の復興は出来ました」
 そしてエウロパという国自体もというのだ。
「そうなりました」
「復興にはギルフォード総統の政策に拠るところが大きいですが」
「やはりです」
「民間の産業とインフラがほぼ無傷だったので」
 とかくこのことがとだ、シェリーニも話した。 
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