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星河の覇皇

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第八十二部第三章 国債の発行その七

「それではです」
「当家とはですか」
「全く違います」
 こうローエンハイムに語るのだった。
「連合は」
「左様ですか」
「はい、それに卿は軍人の方々の為にバーも経営されていますね」
「パブもそうしています」
 兵士や下士官様のそれもとだ、ローエンハイムは答えた。
「軍の基地の中に」
「格安で、ですね」
「採算はぎりぎりですが」
 それでもというのだ。
「彼等はエウロパの為に戦ってくれています」
「だからですね」
「採算はぎりぎりでも」
「経営されていますね」
 将兵の為にというのだ、エウロパ軍の。
「ならです」
「構いませんか」
「連合市民は連合軍の基地の傍に必ず服や靴を売る店があるとか」
「軍人目当てですね」
「軍服や軍靴を提供していますが」
「軍人が絶対に買うので」
「官品ですとどうしても質が悪いと言って} 
 そう言ってというのだ。
「彼等はです」
「服や靴を売っていますか」
「はい」
 まさにというのだ。
「あちらは」
「それが連合ですか」
「奉職どころか」
「利益を得る」
「そうした相手とみなして」
「います」
「それが連合でもね」
「そうです、連合は所詮衆愚の国です」
 シェリーニは侮蔑を込めて言った。
「ですから」
「軍事にもですか」
「利益として見ておらず」
 そうしてというのだ。
「軍に入る者も少なく」
「軍需産業の企業もですね」
「少なく」
 こちらもそうでというのだ。
「そしてそれでいてです」
「利益の対象としてですね」
「みなしています」
 こう話した。
「連合市民は」
「だからですか」
「卿を玉とすれば」
 連合市民はというと。
「彼等は石です」
「そうした相手ですか」
「そうです、軍事に興味がなく」
 そうしてというのだ。
「かつ自分達の利益のです」
「対象としか見ていない」
「その様な者達なので」
 それでというのだ。
「ですから」
「それで、ですか」
「彼等と比べれば」
 それこそというのだ。
「卿は立派です」
「そうであればいいですが」
「はい、それで今のエウロパは」
 シャリーニはローエンハイムにさらに話した。 
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