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星河の覇皇

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第八十二部第二章 国債その二十九

「こともしくじらない」
「そうですか」
「それならですか」
「ここは、ですか」
「是非ですか」
「ああ、行くぞ」
 胸を張ってとだ、こう言ってだった。
 軍曹は兵達と共に胸を張ってまずはレーションを食べた。
 ティムール軍は撤退していた、その撤退は迅速でオムダーマン軍も追い付けるものではなかった。だが。
 アッディーンはその彼等を見つつこう言った。
「やはり遅いな」
「シャイターン主席の指揮に比べて」
「ティムール軍の動きは遅いですね」
「どうにも」
「そうした状況ですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「このことからもわかる」
「シャイターン主席の技量がですね」
「それがですね」
「よくわかるというのですね」
「そうだ、今のティムール軍の動きも速い」
 フラームそしてアブーが采配を執っている彼等もというのだ。
「かなりな、しかしな」
「それでもですね」
「ティムール軍はですね」
「シャイターン主席が采配を執られた時よりも遅い」
「そうなのですね」
「我々も追い付けないが」
 それでもというのだ。
「シャイターン主席ならな」
「より、ですね」
「迅速な移動となり」
「そしてですね」
「より速く防衛ラインに進んでいる」
 そうなっているというのだ。
「間違いなくな」
「そうなっていますか」
「そこでも出ていますか」
「シャイターン主席不在のことが」
「どうしても」
「そうだな、我が軍は追い付けないが」
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「それでもですか」
「我が軍はですね」
「ティムール軍が彼等の第二次防衛ラインに入り」
「その後で、ですね」
「すぐにそこに到着出来る」
 そのことが可能だというのだ。
「そしてシャイターン主席が戻らないまでにだ」
「その時までにですね」
「我々は攻撃に移れますね」
「ティムール軍の第二次防衛ラインに対して」
「そしてティムール軍に対して」
「そうなる、そして第二次防衛ラインを破れば」
 その時はというと。
「確実にだ」
「我等の勝利ですね」
「それが確かになりますね」
「これまでよりも」
「左様ですね」
「そうなるからな」
 それでというのだ。
「我々はだ」
「このまま進み」
「そしてですね」
「さらにですね」
「我々は戦う」
「そして勝つ、それでだが」
 アッディーンはさらに言った。 
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