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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその三十五

「後味もいいからね」
「ですね、ではですね」
「メキシコに対してもですね」
「ことを奇麗に収めて」
「それで終わりですね」
「そうよ、確かに外交は時にはかなり汚いことを行うわ」
 国益を得る為にだ。
「それでもね」
「それでもですね」
「全てはですね」
「奇麗に行うことですね」
「結果として」
「それが最善ですね」
「汚い手段はどうにも後味が悪いわ」
 カバリエにしても好んでいない、国益を得るにしても奇麗にことを収められればそれでいいという考えだ。
 だからだ、今もスタッフ達に言うのだった。
「それでいいわね」
「ここは、ですね」
「奇麗にですね」
「ことを済ませることを目指す」
「そうされますね」
「是非ね、しかし思うことは」
 それはというと。
「連合の外交は連合の中で大抵終わっているわね」
「そうですね」
「マウリアやサハラについては」
「どうにもですね」
「余力でとなりますね」
「そうなっていますね」
「中央政府も各国政府も」
 どちらでもというのだ。
「連合の中で外交をしていますね」
「お互いに」
「そして得るものも得る」
「そうした状況ですね」
「千年の間ね」
 つまり連合建国以来というのだ。
「そうなっているわね」
「普通は国外に行いますね」
「外交というものはね」
「サハラ各国のそれがそうですね」
「ええ、けれどね」
 それがというのだ。
「連合ではね」
「その主軸は連合の中ですね」
「そうよ、そして余力でね」
「マウリア、サハラですね」
「そんな風よ、各国で小国になると」
 カバリエはこの時意識していなかったがそれがナウルの様な国であることは連合では常識のことである。
「もうその余力もね」
「ないですね」
「だから本当に一軒家だけ用意して」
 そこが大使館になるのだ。
「臨時雇いの人に来てもらう」
「資格等一切不要で」
「ただいるだけでもいい」
「そうした風ですね」
「小国は」
「連合の中でも手が回りきらない状況の場合もあって」
 小国はこの辺りも辛いのだ、とかく人手も予算もなくてそうなってしまうのだ。三百以上の国全てに大使館と大使館のスタッフを置くことも結構な国力を使うのだ。そこから外交を行うなら余計にである。
「それでね」
「どうしてもですね」
「連合の中の外交だけで手が一杯になりますね」
「しかも各国の国益の殆どは連合の中にあります」
「中央政府も然りです」
「そうした状況なので」
「どうしても外交も連合が中心になりますね」
 連合ではとだ、スタッフの者達も話した。 
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