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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその三十一

「主になっているわね」
「はい、各国間の衝突の仲裁もしますし」
「情報収集も行っています」
「連合全体を統括していても」
「その中で外交もしていますね」
「奇異と言えば奇異ね」
 カバリエは笑ってこうも言った。
「自国を代表する政府が自国内で外交をしているなんて」
「全くですね」
「これも連合が国家連合だからですね」
「三百以上の主権国家がその中にあり」
「そして中央政府もある」
「そうした国家なので」
「外交にしましても」
「ごく普通にね」 
 中央政府外務省がというのだ。
「外交を行っているわね」
「そしてそれが主な仕事で」
「マウリアやサハラ各国とはその次でしたね」
「そしてエウロパとは国交がないので」
「常に第三国を介入してですね」
「そうした外交を行っているけれど」
 カバリエはさらに話した。
「まことにね」
「不思議なものですね」
「考えてみますと」
「連合の中で外交をしているとは」
「今もそうですし」
「ええ、だからね」
 それでとだ、カバリエはさらに話した。
「今サハラで戦争が行われていてね」
「オムダーマンが勝利を収めました」
「その情報は入ってきています」
「ですがそれでもです」
「それ以上のことは」
「外務省としても」
「優先順位は低いし」
 外交のそれはというのだ。
「大統領もね」
「あまり情報を求められないですね」
「サハラについては」
「むしろ連合内部ですね」
「大統領のご関心も」
「今はまた日韓関係が悪化していて」
 これは連合では常である。
「そしてトンガとケニアがね」
「貿易問題が激化していて」
「それで関係も悪化していますね」
「そのことの情報収集を進めています」
「そしてですね」
「頃合いを観てね」
 そしてとだ、カバリエはスタッフ達に答えた。
「仲裁に入るわよ」
「はい、各国政府の何処かが出るよりも」
「それよりもですね」
「先に我々が動いて」
「そうしてですね」
「ええ、我々が仲裁の手柄を手に入れて」
 そうしてというのだ。
「市民の支持を得るわよ」
「中央政府の権威を高めますね」
「こうしたことも機会ですし」
「だからですね」
「今回も狙いますね」
「そうするわ、けれどね」
 カバリエはどうかという顔でこうも言った。
「各国政府が動くか」
「それが問題ですね」
「どの国が動くか」
「それも観る必要がありますね」
「常にですが」
「そう、常だからこそね」
 それ故にというのだ。 
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