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星河の覇皇

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第八十一部第四章 一日のうちにその十六

「何かそこからまた攻めるとか」
「オムダーマンも元気ですね」
「そうですよね、本当に」
「じゃあまた明日」
「はい、定期報告ですね」
「それを入れて下さい」
「そうさせてもらいます、これが仕事ですからね」
 スクもこう返した。
「やらせてもらいます」
「お願いしますね、ではまた明日」
「そうさせてもらいます」
 二人でこう話してだ、そのうえで。
 スクは電話を切ってから大使館兼自宅のテレビでコンピューターゲームをはじめた。ナウルから持ち込んだものだ。
 そのゲームをしているとだ、現地で雇っている掃除や洗濯を担当する所ボーイが彼に対して尋ねてきた。
「大使さん、お仕事は」
「終わりました」 
 スクはそのボーイにすぐに答えた。
「今しがた」
「そうですか」
「はい、それで今日はです」
「ゲームをするだけですね」
「いや、今日はちょっとトレーニング器具を買おうかと」
「運動不足だからですね」
「そうしたお話をさっきしていまして」
 ボーイにこのことも話した。
「健康によくないので」
「大使さんこっちに来られた時より太られましたね」
「あっ、それ言います?」
「アッラーは嘘がお嫌いなので」
 ボーイはスクに答えた。
「ですから」
「僕が太ったとですか」
「言わせて頂きました」
 この事実をというのだ。
「お気に召されませんか」
「結構。ただ」
「ただ、とは」
「トレーニング器具は車出してそこで買いますから」 
 だからだというのだ。
「ちょっと車で外に出ますね」
「わかりました」 
 あっさりとした返事でだ、ボーイも応えた。
「行ってらっしゃいませ」
「留守番お願いします」
「留守番といってもここに出入りする人は大使さんと私だけですよ」
「そうですよね、ここには」
「大使館ですが」
 しっかりと看板も出している、公式の場所ではあるのだ。
「しかし」
「ナウルという国はサハラでは」
「全然知られていないですよ」 
 ボーイはまた答えた。
「私もです」
「ここに雇われるまではだね」
「どういった国なのか」
 それこそというのだ。
「全くです」
「知らなくて」
「はい」
 それでというのだ。
「ナウルという国をはじめて知りました」
「まあね、我が国は実際にね」
「連合ではですか」
「小国も小国だよ」
 こうボーイに言うのだった。
「連合は三百以上の国があるけれど」
「その中でもですね」
「人口も少ないし」
「連合って人口四兆ですよね」
「その中でも大小あって」
 それでというのだ。 
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