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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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20話 Tokyo【帝都】

「この前のPVが50000再生?」
「ああ、ランタンが綺麗だって評判になったらしい。」
「さっすが!てぇんさいエディター伊口才だな!」
「うわ!」
「ナルシストずら。」
「何とでも呼ぶがいい!この俺が天才という事に変わりはないのだから!やっぱり我ながら惚れ惚れする作品だ............!」
「もう善子ちゃんと同等でいいずら?」
「こんな奴と一緒にしないでよ!あとヨハネ!」
「最悪だ...........こんな自意識過剰の厨二JKと一緒にされるとか...........」
「どの口が言ってるのかしら...........?」





梨子が困り顔で言っている言葉に返してあげたい。俺はナルシストで完全無敵な仮面ライダー伊口才。夢見る困ったちゃんじゃなくてもう実現しちゃってる勢だから。





「で?ランキングに変動はないか?」
「上がってるっていうか———————ほら。」
「ほらって——————その表情じゃそんな上がってないんじゃ............99位。やっぱりそこまで............99位!?!?!?!?」
「え!?99位!?」
「ずらっ!?」
「うそ〜ん!!!」
「竜介先生、それ違う人。」
「——————来た。来た来た!!!!!」





皆が驚愕と言える表情を浮かべる中、千歌はこれを見越していたかのように、まるでその結果が出ていたも確定していたかのような反応を見せる。そう、千歌にとってはこの事はすでに決定事項なのだろう。流石は輝きを求める者だ。






「それって全国でって事でしょ?全国に5000以上いるスクールアイドルの中で100位以内って事でしょ!?」
「まぁそういう事だ。」
「一時的な盛り上がりかもしれないけど、それでもすごいわね!」
「ランキング上昇率では1位!!」
「まぁ今まで2000位台だったのが一気に100位以内に入ればそうなるよな............」
「なんかこのまま行ったらラブライブ優勝できちゃうかも!!!」
「優勝?」
「千歌、油断は禁物だぞ。その緩みがラブライブでは命取りになるからな。」
「わかってるよ。それにこれで可能性は出て来たって話だよ。」





ピロリン





検索エンジンでは引っかからない深層ウェブからのメールを知らせる通知音。その場にいるAqours6人+ライダー3人が気付かぬはずがない。そしてこのメールアドレスはAqours専用の物。私用で使っていない限りは、スクールアイドル関連の情報が来るはずだ———————————本当に私用で使ってないのか?





「メールだ。」
「どれどれ————————スクールアイドルAqoursの皆さん。この度、『東京スクールアイドルワールド』なるイベントを実施する事になりました。つきましては、Aqoursの皆さんに当イベントに参加していただきたくこのメールをお送りいたしました————————東京スクールアイドルワールド運営委員会、会長——————黒地祝............?」
「祝?何て読むんだ?」
「さぁ........『はじめ』とか『いわい』
「東京—————って、あの東にある京都.........,」
「東にある京都ってなんだよ。京都は京都府だろ。」
「ていうか何の説明にもなってないけど..........」
「「「「「「「「————————東京だぁ〜!!!!!!!!」」」」」」」」





しばらく思考の刻のように静止した後、すぐに歓喜に包まれる。そりゃそうだ。なんせスクールアイドルとしての急上昇した人気を認めてもらったに等しいのだから。これがあってメンバーが喜ばないはずがないだろう?





「やった〜!!!!!東京だよ!μ'sだよ!アキバドームだよ!!」
「いや〜ここまで顧問やってきて良かったぁ〜!!」
「バカ2人が騒いでるけど、これは騒がざるを得ないな!!!」
「まぁ、俺はこのくらい当然だと思ってたよ。」
「嘘つけ!お前も驚いてるんだろ!?」
「...............う、うるさい。」
「でも今までの努力が実ったのかと思うと嬉しいわ!!」
「やる気が出てきたずら!」
「がんばルビィ!!」
「ところで、それっていつなの?」
「えっと...........今週の土曜日だな。」
「なーんだ!まだまだ時間が....................え?」



「「「「「「土曜日!?!?!?!?」」」」」」



「明後日じゃん!!じゃあ新曲作る暇なんかないじゃんか!!」
「俺にそんな事言われても困る!」
「仕方ないよ、千歌ちゃん。あの曲で頑張るしかないよ。」
「そうだな、惜しいけどその選択肢しか俺たちには残されてない。」
「そんな.............」
「じゃ、この調子じゃ明日の朝出発になりそうだな。今日帰って荷造りを——————」
「ちょっと待ってくださいって!先生!——————————まだ課題はありますよ。」
「課題?」
「ルビィ、ダイヤのことは大丈夫なのか?」
「そっか、ダイヤさんの許可を貰ってなかった.............」
「仮にも黒澤家のことだ。反対はするかもしれない。」
「..............大丈夫。何とか説得してみる。」
「そうか...........ただ、決めるのはお前ってことを忘れるな。お前が行きたくて反対されたのなら、俺は全力で行かせてやる。」
「わかった!!」





あとは............鞠莉にこのことを伝えるだけだ。どんなことを言われるかは知らない。そして仮にもあんなことがあった後だ。当然ながら気まずい関係である事に変わりはない。








































「東京にスクールアイドルイベントねぇ................」
「行かせてやってくれ。この通りだ。」
「別に頭下げることでもないわよ。私個人としてはオールオーケーだから。」
「恩に着る。でもお前個人ってことは.............!」
「ええ、知ってると思うけどパパの意見とは明らかに反する。だけど—————行って。」
「ああ、やってやる。スクールアイドルの演出家としても。」
『ちょっと!それはどういうことですの!?』





ダイヤが鼻息荒く、慌てているように理事長室に入ってくる。





「ダイヤ...........!」
「今東京に行くことがどういうことか分かっていないわけありませんわよね?」
「だったら、止めればいいじゃない。あなたが全力で止めればやめるかもしれないよ?」
「それは............」
「ダイヤも期待してるんじゃない?私たちが乗り越えられなかった壁を乗り越えてくれるんじゃないかって。」
「失敗したらどうなるか............それ以前にどうなるか。貴女が1番わかってるでしょう!?」
「オイ、俺を置いてけぼりにするな。—————————どういう意味かは知らないが、例え知ったところで俺たちは止まらない。」
「そんな............」
「期待してるわよ、才。」






ここで聞けば良かった。ダイヤや果南、鞠莉の過去。稜の過去のことを———————聞けば...................本当に............知ることが良いことなのだろうか?
































































—————※—————































































「東京トップス!東京スカート!東京シューズ!そして————————東京バッグ!えへっ!」
「うわぁ............ひでぇ............」
「い、一体何がどうしたの?」
「可愛いでしょ?」
「東京行くからってそんな構えなくても.........」




千歌の明らかに悪目立ちするであろう眼鏡、服、靴、何より飾りのつきまくったバッグ。うん田舎あるあるだよな。東京をはじめとする都会へ行く時に流行の最先端を歩こうとして、気恥ずかしいファンションセンスを発揮するというこの事象である。


正直こんなファッションを見せつけられるほど時間は残っていない。それを考慮して虎太郎には先に沼津駅に行ってもらっている。竜介先生も引率教員としてついてきてもらう————————もはや、引率される側でもあるような..............





「ハッキリ言うわ。正直どこぞのアニメキャラ並みにダサいぞ。一線は超えてないけどさ、一線は。」
「ヒドいよ!!せっかく昨日張り切って買ったのに!!」
「逆に東京行ってそれが目立たないとよく思ったな。」
「梨子ちゃんは東京出身だし、才くんも東京に何回も行ったことあるからわからないんだよ!!内浦しか見てこなかった少女が大都会の東京へ行くなんて一大イベントだよ!!!」
「だったら、もうちょいマシな服を..............」
「はぁ.............」
「「おはようございます!!」」
「おう!花丸、ルビィ——————————!!!」





千歌と同じ症状————————病学的に言えばそういう事になる。ルビィは緑の水玉スカートに可愛い熊の絵柄が貼り付けられた色彩豊かなパーカー。一方の花丸は登山家が持つであろうリュックに工事現場のようなライト付きヘルメットを被っての登場。どちらもキラキラというエフェクトがベストマッチするであろう服である............





「どうでしょう........ちゃんとしてますか?」
「うわぁ............」
「えぇ.............」
「これで渋谷の険しい谷も、大丈夫ずら!」
「ちょっと待って、花丸のそれはどういう格好なんだ?」
「谷に行くってことは、かの『ぐらんどきゃにおん』に行くのと同じような格好に——————」
「渋谷のニュアンスを...........」
「上手く履き違えてるわね...................」
「2人とも地方感丸出しだよw」
「「お前が言うな!!」」
「取り敢えず着替えろ!!そんな格好じゃまともに動けん!!」
「「「ええー!!!!!!!!」」」
「当たり前だろ!地方官丸出しでもうネタかと思ったよ!!!」
「そんな〜!!!結局いつもと同じ服ずら.........」
「そっちの方が可愛いと思うな(イケボ)」
「本当ずら!?」
「ああ。」




ということで、速攻着替えてから志満さんが運転するミニバンに乗り込む。


残念ながら、5人乗りということで俺は車ではなく爆走バイクで行く羽目になった。まぁ、そっちの方がゆったりとした車内よりも好きだけどさ。


俺が飛ばし過ぎたのか、千歌たちに大差をつけて沼津駅まで来てしまった。まぁ、早いに越したことはないのだが。確か待ち合わせは................ん?あの人だかりは—————————?





「才君!こっちこっち!!遅いよ〜!」
「曜!虎太郎!よしk...........うわぁ............」
「才、絶対触れるな。面倒な事になるから。」
「そんなことわかんねぇほど俺もバカじゃねぇ!」
「フフフ........堕天使たる我が魔都冥府にてあまたあるリトルデーモンを召喚しましょう............,」





人だかりとはまさにこのこと。まるで事件でも起こしたかのように人々はシャッターを踊らせる。ある少女が親にあれは何だと聞けば、見ちゃダメと返されるという変人を見る典型的なやり取りまでされている———————————ほんと、よく心が折れないなぁ..............





「「「「クックックッ——————」」」
「善子ちゃんも。」
「やってしまいましたね?」
「すっかり堕天使ずら。」
「みんな遅いよ!!」
「フフフ............善子じゃなくて—————————ヨハネ!」
「せっかくのステージ!溜まりに溜まった堕天使キャラを解放しまくるの!!」
「うわぁ............何かあの子供に申し訳ねぇよ.............」
「ところで竜介先生は?」
「ああ、確かプロテインを買い占めに行ってるんじゃないか?」
「ちょっと待て!それって家に置いてあった金で!?」
「ああ。」
「はぁ!?あの人は〜!!人の家の金を勝手に使うなよ!!」






もちろん俺の家柄上、医師一家であるから金が足りないということではない。問題は教師が生徒の家の金を勝手に使ったことだよ!あの筋肉バカ教師が.............


そんなこんなをしていれば、もう直ぐ東京行きの列車が到達する時刻があと10分と迫っていた。そこで、千歌の友達—————むつ、いつき、よしみが見送りに来た。彼女らのおかげでこのPVが大成功を収めたということは俺は大きく肯定している。





「千歌〜!!」
「あっ!むっちゃん!!」
「イベント頑張ってきてね!」
「これクラスのみんなから!」
「わぁ!ありがとう!!」
「それ食べて、浦の星の凄いところ見せてやって!!」
「うん頑張る!!」
「千歌、竜介先生も戻ってきたしそろそろ行こう。」
「うん!わかった!」
「じゃあ東京に向けて!全速前進〜!ヨーソロー!!」
「ありがとな、よしみにいつきにむつ!」
「「「どういたしまして!(うわぁ..........これはイケメンだ........)」」」



東京に向けて全速前進ヨーソローした俺たち。スケジュールとしてはこのまま熱海駅で山陽新幹線に乗り換え、そのまま東京駅。そしてそこから山手線に乗り換えて、秋葉原へと向かう予定である。


だが、俺だけは違う。アキバに行った後直ぐに東京駅に出なければない。伊口ファウンデーションセンタービル—————————その最上階には会長の椅子がある。そこに座るのは世界医療界のトップにして、世界有数の大株主——————-







伊口仙悟……またの名を、オーマジオウ。








 
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