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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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21話 くっついてきたWoz【祝】




「デケェな.................」
「まぁ、世界有数の財団及び大株主だもんな。」
「結構緊張するな............」
「何で身内のお前が緊張してんだよ!!」
「ここ最近会ってないんですよ。少なくとも高校生になってからは。」
「まぁ、俺がいうのもなんだがとりあえず入ろうぜ。」





虎太郎の提案に自然と体がついていく。もちろん先ほどの会っていないだの言ったことは全て出任せだ。当然転生者なのだから、会うのも初めてだ。会えば記憶が蘇るだろう。今頭を抱えている問題は、それ以前の会う過程でのそういう話だ。


自動ドアの先に待ち受けていたのは素晴らしく綺麗なロビーとそれに相応しい受付の女性数人。俺の中でこそAqoursには到底及ばないが、それでも美しい女性だ。フロントの後ろには『伊口Foundation』というロゴが描かれている。


もちろんズカズカと会長室へは上がれないので、受付の女性にその旨を伝える。





「ねぇ、会長に会いたいんだけど。」
「あっ、もしかしてお孫さんですか?このビルの最上階で会長はお待ちしておりますよ。」
「サンキュー!—————2人とも行くぞ。」
「「おう」」





フロント横のエレベーターに乗り込む。行き先は最上階—————————50階へとそのカラクリを動かす。しかしそのカラクリという感覚を負わせないような、静かなエレベーターである。高い建物でのエレベーターでは重力のようにどっと重さが付与されるような感覚に襲われることがある。


でもそんなものはほとんど感じないような高性能。代わりに当然なのか、それともその技術に驚嘆しているのか少しばかりこんがらがるような気持ちに襲われる。










チン!








エレベーターが最上階に着いたことを伝える音。そして俺たちは最上階に足を踏み入れる。


!!!———————何に驚いたか?それはたった1つの事象。


ライダーが、オーマジオウに見せてもらったライダーの記憶。それに当て嵌まる——————要するに今までの35人の仮面ライダーの像が会長室の大きな扉まで続いていた。





「何だこれ.........」
「仮面ライダー?まさか才の祖父ちゃんも仮面ライダーなのか!?」
「その可能性は捨て切れないな。」
「仮面ライダー1号からゼロワンまでわかっている仮面ライダーは全部あるな..............」






単純に仮面ライダーが好きなのかもしれない———————その可能性はすぐに却下される。何故なら仮面ライダーのことについてはごく一部の人間にしか知られていない。つまりは仮面ライダーである可能性が高い——————!


そして—————この銅像ロードの終着点に到達する。
































ギィィ————!












「よく来たな...............才よ。」
「え!?!?!?!?お、オーマジオウ!?!?!?!?」





そう———————俺の転生の元凶である者。オーマジオウ、その者が悠々と会長の玉座に座っていたのだ。普通の人間が座っているものだと思い込んでいた俺たちの度肝は大きく抜かれることになった。





「オーマジオウ?」
「俺にエグゼイドの力を与えてくれた仮面ライダー。歴史の終着点に君臨する魔王—————————!」
「魔王!?」
「いかにも、私がオーマジオウ。そして——————伊口仙悟だ。」
「あっ—————-!」





記憶が蘇る———————変身解除によりその白髪からしわのある顔が露わになり、封印されていた歴史が紐解かれ、頭が少しばかり混沌に陥る。だがすぐに記憶の結合は完了し、1つの人物の記憶として完全に保存される。



そう、この人が俺の祖父————————伊口仙悟でありオーマジオウなのだ。その事象が確定したことで現実の状況を見返すことができるようになった。





「あ、あぁ...................久しぶり。」
「お前達が浦江竜介と矢澤虎太郎————仮面ライダークローズと仮面ライダークウガ。」
「何で知ってるんだよ!?」
「才が言っていた通り、オーマジオウは全ての仮面ライダーの王。それに相応しい力も当然ながら存在する。そのことなら大抵は知っている。無論、お前達がスクールアイドルAqoursのマネージャーであるということもな。」
「「!!!!!」」
「(やっぱりあのオーマジオウだ。)」





可能性として、パラレルワールドという概念を考えた場合には当然《《オーマジオウ違い》》ということが出てくる。が、深く考えすぎなければこのオーマジオウは俺を転生させたオーマジオウということになる。
そうなれば、オーマジオウはこの世界の概念を少しばかり歪めて伊口家というものを創り出した——————ということになる。そして俺を転生させるのと同時に、自らもこの伊口才の祖父としてこの世界に君臨した————————というのが正解なのではないだろうか?





「さて——————祝え。」
「「「え?」」」
『祝え!!』
「ん!?誰!?」
「時空を超え、過去を未来をしろしめす時の王者!その名もオーマジオウ!!そしてたった今!その偉大なる御曹司、伊口才がその家臣達とともに我が魔王と再会を果たした瞬間である!!!!!」
「「えぇ...........」」
「俺たちは家臣じゃねぇよ!!てか誰だよお前!!」
「私はウォz——————黒地祝(いわい)という者である。我が魔王の忠実な家臣であり、君たちの預言者でもある!」
「俺たちの!?」
「ああ、これから祝にはお前達のアシスタントになってもらう。」
「ええ!?それって一緒に暮らすってことか!?」
「そういうことだ。無論、コイツもまた仮面ライダーだ。仲間が増えることに不利益はないだろう?」
「まぁ——————いいか。祖父ちゃんの言う通り、仲間は多い方がいいし!」
「黒地祝.................あっ、アンタって東京スクールアイドルワールド運営委員会会長?」
「いかにも。スクールアイドルワールドは私が大株主となっている会社連合がが運営している団体だ。そこの会長をこの祝にしてもらっている——————」
「全く.........我が魔王の人遣いが荒いことで..........」
「なるほど........じゃあこれから宜しくね!!祝!」
「ああ。宜しく頼むよ。是非私に君の常々言っている『輝き』ってやつを見せてくれ。」
「ああ!!」





急なことで構えていなかったが、4人目の仮面ライダーが俺たちの協力者として加わった—————————ほんと、このメンバーは個性が素晴らしいことでw





ここで、俺は1つ質問をする。





「なぁ、祖父ちゃん。アークについて何か知っていることはない?」
「才———————!」
「アークか.............その正体を知り、私がそれを破壊することなど容易いことだ。」
「じゃあ—————!」
「だが!それでは人々は幸せにはなれない。アークを倒すということは、ただ単に敵を叩き潰すような者には決して真の意味でアークを倒せたりはしないのだ。それをわかった上で、それでも正体を聞きたいか?」
「いや——————わかった。その答えは自分で探すことにするよ。」





オーマジオウの持ちかけに俺は大きく賛同する。ここで以前の3人の中でおそらく1番個性が強烈であろう人物がその預言者に話しかける。





「なぁ?ちょっといいか?」
「どうしたんだい?」
「————————この鳳名館って旅館はどこにあるんだ?」
「はぁ!?それ俺たちが泊まる旅館じゃないか!?何で場所がわかんねぇんだよ!?」
「しょうがねぇだろ!!東京の地図がめちゃくちゃすぎて場所がわからないんだよ!!」
「アンタ本当に教師なの!?」
「まぁまぁ才君。彼の案内は私がやっておくから、君たち2人は用事があるんだろう?」
「まぁね。」
「じゃ、またその旅館で会おう。そこで君たちのスクールアイドルを紹介もしてもらいたいしね。」
「わかった。じゃ、後で!」
「さて................精々迷子にならないでくれよ?」
「舐めんじゃねぇ!!!!!」





いや、東京の地図をがっつり見て旅館の場所がわからないんだから迷子になるのはもはや決定事項だろ....................






























































—————※—————










































「さて........次はお前の家なんだけど、誰か家にいるのか?」
「まぁ..............多分母さんか姉さん達誰か1人帰ってきてるだろ。最近大きな場所ばっかりだから、家に帰ったら窮屈かもな。」
「そういや、お前が仮面ライダーだってことを家族は知ってるのか?」
「仮面ライダーとかの事情は言ってないけど、俺が返信できることくらいは知ってる。」
「そっか..........何か緊張するな............さっきとは違う意味で。」
「お前は聞くのか?μ'sのこと、にこ姉さんに。」
「聞きたいけどな——————————俺は聞いたらゲームオーバーだと思ってる。」
「ゲームオーバー?」
「そんなの自分たちがわかってこそ真のゲームだ。自分たちでわかんなきゃそれは隠しステージのないRPGゲームみたいな物だぜ?」
「それもそうか...............とか言ってる間に、着いたぞ。」
「ここか..............狭い狭いとは一概には言えないかもしれないぞ?」
「一人暮らしには広いかもしれないけど、俺たちは5人暮らしだ。しかも小さい時は精神的に、大きくなったら物理的に狭くなる。」
「そうか............」





そんな話をしながら階段を登ってゆく。おそらくは2階5号室なのだろう———————何でわかったかなんて野暮なこと言うんじゃありません。


その予想は見事的中し、2階でしかも5号室である。正直、もう少し小汚いものを想像していたが案外そうでもなかったことは幸いというべきか。いやそもそも虎太郎の遠慮するような、逆を言えば自他共に酷評をする性格がそのような物言いに繋がっているのかもしれない。


そんなことを思いながら、その2ー5の部屋に入って行く————————









「ただいま。」
「お邪魔しまーす。」
『え!?虎太郎!?』





虎太郎の帰りを知らせる言葉に反応して、すぐさまドタドタと音を立てて玄関へとやってきたのは1人の女性—————————いや、正確にはまだ女の子なのかもしれない。それを感じさせるほどの容貌を彼女は保有していることはどんなに言葉を並べても揺るがぬ事象である。





「久しぶり〜!!!心配してたんだから〜!《《にこ》》が居ないと夜も眠れないんじゃないかな〜なんて!!」
「何言ってるんだよ姉さん。俺もう高校生だぜ?1人で寝れないわけねぇだろ。」
「えっと............虎太郎、一応聞いておくけどその人は?」
「話聞いてたらわかったと思うけど、この人が矢澤にこ。何度も言ってるように俺の1番上の姉さんだ。」
「——————————アンタが.........矢澤にこ...........」





虎太郎の言葉に同じ言葉を反射することしかできない。そのくらい驚愕していると言うことを示している。


にこさんの上がっての一言に甘えさせてもらうことにした。中はそう狭さを感じさせないような小綺麗さを保っていた。入ってすぐに廊下。その先にダイニングルームであり、そこで何時も団らんを行なっていたのだろう。





「へぇ〜伊口ファウンデーションの御曹司.............」
「オイあんまり家柄のことを言うんじゃねぇよ虎太郎。」
「別にいいじゃんか。」
「全く、アンタもとんでもない友達連れてきたわね〜伊口ファウンデーションの御曹司を............あの鼻水垂らしてたあの虎太郎がね〜」
「姉さん、変なこと言わないでくれよ。」
「しかもあのスクールアイドルAqoursのマネージャー兼演出家なんてね〜」
「え、にこさんはAqoursのことを知ってるんですか!?」
「まぁね。2000位台のスタートから100位台になったことで人気急上昇ランキングで1位になったスクールアイドル。そんなスクールアイドルに目をつけないわけにはいかないわ!!!」
「才、言い忘れてたけど姉さんは俺の見た中では1番の生粋のスクールアイドルマニアなんだ。」
「へぇ〜そうか.................μ'sの元メンバーに認知いただいてるだけで光栄だな————————!」





普通らしい称賛の言葉。それを述べられて恥ずかしくない者はごく少数なのではないだろうか?一通りの反応をした後ににこさんは語り始めたのだ。





「懐かしいわね〜μ'sだった当時は熱中しすぎて、周りのことが見えなくなってた。廃校阻止からいつの間にか—————————それくらい夢中で、時の流れが早かった。《《あの時をもう一回やり直したい》》。そんな風に今でも思ってる。でも過去には戻れない、未来に進むしか道はないんだって。」
「だからμ'sは...............」
「でも嫌々解散したわけじゃないわ。みんなの心は1つになった。μ'sはこの9人じゃなかったらダメ。そう思ったから。その思いは誰にも邪魔できないわ。」




そうだ。見落としていたが、確かに俺たちにとっては意見は至極真っ当な意見なのかもしれない。利益を考えてやるスクールアイドルはそれは売れっ子アイドルとさほど変わらない。
でもラブライブというイベントがスポンサーも付けずにやってきたのは間違いなくそのような気持ちが関係しているのかもしれない。その他のスポーツを批判するわけではないが、ラブライブは他の部活とは違う。本当の意味での青春の終着点。プロとして輝くんじゃない。今この瞬間が——————————!





「なるほど.............にこさん、ハッキリしました。俺が今何と戦っているのか。何を探し求めているのか。」
「———————そう、こちらこそμ'sの事情をわかってもらえて光栄よ。」
「じゃ、そろそろ時間だし千歌たちのところへ行こう。神田明神だったよな?」
「ああ..........でも。」
「いいんだ、行こう。」
「虎太郎!アンタ............私たちの負担を和らげようとして浦の星学院に入学したんでしょ!?そんな心配しなくたって——————!」
「————————姉さん。これは俺の意思だよ。この浦の星でスクールアイドルに出会って、才に出会って、毎日が楽しい。これが俺の見つけた道だ!!」
「そう—————————頑張んなさいよ!!」
「にこさん。短い時間ですがお世話になりました。」
「信じてるわ、あなた達の.............新しい夢を。」






















































「普通か.............」
「普通?」
「にこさんの印象さ。個性とか抜きで普通—————————普通の高校生がキラキラと輝いてる。」
「そうか.................?」
「ああ、千歌が言ってた通り。だから偉大だったんだよな.............」
「詳しいところ俺もμ'sのことについては詳しくは知らないんだけどさ。でもそれだけは分からんでもない。」
「そう———————だからこそ輝きを見つけなきゃいけねぇんだよな............」
『おーい!!!才くーん!!!』





虎太郎と話していたら、いつの間にか千歌たちが合流場所にやってきていた。ちなみににこさんと会っていたことは———————-特に千歌とルビィには黙っておこう。





「遅いよ〜!!!」
「すまん、ちょっと長話だったからさ。」
「しょうがないでしょ?その会長さんの手助けがなかったらあのPVは成功してないんだから。」
「そっか.............」
「てか実際にお前らの方が遅いじゃねぇか。」





何だろうな、千歌以外の5人に必要でないものを携えているような気がするのだが..................俺たちそこまで待たせてないんじゃないか?





「もう——————誰かさんのせいで時間なくなっちゃったじゃん!!せっかくじっくり見ようと思ったのに...........!」
「なぁっ!?だ、だから言ってるでしょ!?これはライブには欠かせないキーアイテムなの!!!!!!」
「善子、それはさすがに無理があるだろ。」
「はぁっ..............曜ちゃんも曜ちゃんでそんな格好して.............」
「だって!神社に行くって言ってたから!似合いますでしょうか!?」
「敬礼は違うと思う。」
「まぁ俺は似合ってると思うけどな。」
「そう!?そう言ってくれたら嬉しいよ!!」





曜の着こなしのセンスには普通にコスプレイヤーの名に恥じないだけのことはある。今は巫女だが、他にも何着か買ってあるのだろう。ただ、1つだけ気がかりなことがあるとするならば、本物の巫女にまちがわれたりするのではないかと少しばかり気にかけている。


先ほどまで曜の行動に呆れ果ててジト目だった千歌が、少し先に出ようとする俺の行き道を遮る。別に対して気にするようなことのない遮り方なのだが、後ろから見る俺には顔を膨らませているように見えた。





「千歌、俺何か悪いことした?」
「別にっ!!」
「えぇ.......................」
「(えへへ...........才君も女心がわかってないなぁ。)」




俺も視線には敏感な方であるためか、千歌の膨れっ面から送られるジト目の視線は当たり強く曜へと向けられる。え?俺そんな不公平なことしました!?


思考を常に巡らせている者の歩くスピードはとてつもなく速いと言われるが、それには早すぎるのではないかと思うくらいに神田明神階段前に着いてしまった。





「ここだ—————!」
「ここがμ'sが何時も練習していた階段——————!」
「ねぇ!登ってみない!?」
「そうね。」
「当たり前だ。ここまできたら、登らないわけねぇだろ!!」





千歌が走り出す。俺も後に続いて走り出す。他の6人も走り出す。この場所はもともと何気ないただの参詣坂。1つだけ違うところと言えば、一昔前にこの坂を9人の女神達が練習に使っていたということ。ただそれだけなのだ。それが今や、スクールアイドルの聖地になっている—————————————俺たちの何が違うのだろうか?有名になればこんな風に持て囃されるのだろうか?


違う、にこさんの言っていたことは明らかに正反対。彼女達だからこそ本当の意味が—————————!













トン!!



















「〜〜〜〜〜〜♪」
「「!?」」





千歌が息を切らしながら登り切る。それに対して俺は千歌を抜かさないように意識していたためか体力が有り余っている。仮に全速力で走ろうとも結果は変わっていないのだろうが。


登り切った俺たちがその美しい音源を求めて、神社の本殿の方へと目をやる。すると紫——————いや青紫色の髪の少女2人が調和(パーフェクトハーモニー)を奏でている。


振り返った背の高い方の少女が俺たち8人に向かう。












「あなたたち、もしかしてAqoursの皆さんですか?」




























AqoursとSaintSnow、その2つの世界線が交わる時に黄金の戦士たちの戦いが今始まる—————————!

 
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