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人生コンティニューしたらスクールアイドルを守るチートゲーマーになった

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18話 光のOrigin

 
前書き
 
◯17話での変化
 
 
エグゼイド
 
 
ガシャットギアデュアルの2つのゲームの力を使用可能となる。1つ目のパーフェクトパズルは、エナジーアイテムを始めとしたゲームエリア内の物体を自在に操る。これによって敵味方に戦闘妨害や戦闘補助、自身の強化が可能となる。ノックアウトファイターの特殊能力は特に目立った点はなく純粋な力で相手を叩きのめしていく。

 

 





「—————————何か嫌な気分にさせたな。悪い。」
「ううん。人間だから、怒るのは当たり前よ。」
「でもあの表情は———————」
「ルビィちゃんやめるずら。」
「話は変わるがあの時————————千歌は何って言おうとしてたんだ?」
「あの時?」
「俺が机を割った時に何か言いかけてたよな?」
「ああ———————」






あの場で俺のやったことは明らかにするべきではなかったことだ。だからこそ、千歌ならどんな答えが出てくるのかが知りたい。みんな以上に輝くことを目標としているコイツならどんな回答をするだろうかと。





「聞きたくない———————そう言おうとしたんだ。」
「何で聞こうとしなかったの?」
「何か————————聞いちゃダメな気がしたから。」
「何意地張ろうとしてんのよ。」
「意地じゃないよ!それって大切なことだもん。自分で気付けなきゃ、PV作る資格ないよ———————————」





さすがは千歌————————-と言うべきであろうか、俺とは全く違う。むしろ正反対の意見を唱えている。そう、こいつはやっぱりどこまで行っても輝きを求めることを忘れない。そんな奴が最終的に輝くのだろう。





「そうかもな———————」
「ヨーソロー!じゃあ今日は千歌ちゃん家で作戦会議だ!」
「!?!?」
「喫茶店だってタダじゃないんだから、梨子ちゃんもがんばルビィして!」
「てか喫茶店代は全部俺持ちなんだし、そこら辺は考えてくれよ!」
「いや親の七光りならぬ祖父の七光りの才君なんだからそこは大丈夫でしょ?」
「お金が湧いて出てくるわけじゃねぇんだよ...........」
「クスッ——————ふふふ!」





千歌の笑顔でようやく安心したようで、肩にのしかかっていたものがスッと取れた気がした。そう、何も変わっていない。千歌の無邪気に輝きを求める姿も、曜の陽気な性格も——————————














そう——————————————何も変わって...............







































「で?お前はどれだけ俺に負担をかければ気が済むんだ?」
「いや〜ホントお前には感謝してるよ虎太郎。お前の調整能力に関しては俺以上だ!それだけは明白も明白だ!」
「全く、半狂乱状態のダイヤさんを抑えて謝り倒すのは心理的負担が大きすぎる。あの稜とかいうお前の幼馴染のこともあってか余計に——————だ。」
「そうか———————やっぱりアイツは...........」
「竜介先生もアイツを追ったんだけど、もう手遅れだったよ。鞠莉にお前の事を謝ってくれたのも竜介先生だ。あの人がいなかったら、お前どうなってもおかしくなかったんだぞ。」
「そっか.............ホント悪かったよ。」
「ところで.............梨子は何で入ってこないんだ?」
「どうせしいたけだろ?大丈夫だ、今はしいたけ居ねぇから。」
「本当に?」
「そうだよな?千歌!」
「(ゴソゴソ)」
「「「「「「ん?」」」」」





俺と曜以外はみんな疑惑の目を向けるであろうその膨らみ。この時点で察しのつく方もいるだろうが、今は梨子をこちら側に引き寄せるために黙っていてくれたまえ。





「それよりもPVだよ。どーすんの?」
「確かに何も思いついてないずら................」
「取り敢えず、俺たち演出側からするとライブをするのは確定でいいだろう。問題はその話題。その話題によって作詞作曲、編曲も大きく変わってくる。」
「うーん、内浦の魅力って何だろう?」
「少なくとも—————————観光とか名産品とかそういう表向きのものじゃない。経済的なものじゃないっていうのは明らかだな。」
「経済的じゃない?」
「要は、みかんとかみとしーとか干物とかそんなものじゃないって事だな。」
「それを抜いたら何もなくなりませんか?」
「多分、それがわからなかったらスクールアイドルやる資格ねぇって事だろ?」
「うーん..................なかなか奥深いなぁ。」
『あら!いらっしゃい!』
「志満さん!」





ベストタイミングというべきなのか、俺たちが話している最中に志満さんは一服の清涼剤としてお茶を持ってきてくれた。別にどうという事の無いお茶ではあるが、行き詰まっていた俺たちにとっては砂漠の中のオアシスとも言えるだろう。


そしてここでようやく梨子が千歌の部屋へとマスを進める。




「みんなで相談?」
「はい———————」
「いいけど、明日はみんな早いんだからあんまり遅くなっちゃダメよ?」
「「「「「「「はーい!!!!!」」」」」」」
「明日、朝早いの?」
「さぁ............何かあったか?」
「海開きだよ!」
「え!?千歌ちゃん!?——————————じゃあ............!」






梨子の察する顔————————そう、後ろにいるのは..................『しいたけ』その犬であった。














梨子の顔こそ———————「終わった............」という言葉を体現したかのようなものであった..............www











—————※—————



「仮面ライダーの話題を避けてたから言ってなかったけど、まさか新しいアイテムがもう完成してるなんてな........」
「ああ、どさくさに紛れて使ってるけど、いいデータは取れたよ。」
「パズルゲームと格闘ゲームか..........」
「ああ、『パーフェクトパズル』と『ノックアウトファイター』——————俺が最近ハマってるゲームをこのガシャットギアデュアルのゲームに組み込んだ。でもまだパーフェクトパズルを試してないから、そこに不具合がないか試してみないとな。」





あの時わざわざこれをスペクター戦で使ったのは、相手が手の内を見せたからこちらも対抗心で————————というのが主な理由である。





「そういえば竜介先生は?」
「竜介先生ならプロテイン飲んで、夜のランニングに行ってる。」
「そっか————————クローズマグマ、未完成品が何で使えたんだろうか............」
「クローズマグマって、あのレイダーを倒したフォームだよな?」
「そう。竜介先生の場合、感情の振れ幅で俺たちよりもより強大な力を生み出す。だからこそ何が起こるかわからない。」
「でもこのままのフォームだったら、サウザーやソーサラーに勝てないんじゃないか?」
「そうだな———————使うしかないのか..........いざとなったら全力で止める。」
「ところで明日は海開きだろ?今日は早く寝ないとな.............」
「ああ——————————ここでコールが鳴らなければ............」










ピリリピリリ












「フラグ回収お疲れ様w」
「怪人か............それかサウザーかソーサラーか........」
「とにかく行こう。」
「ああ——————————」






































「オイ!アンタ何やってんだ!!」
「人類は滅亡せよ!!!!」
「才、あっちにも怪人が。」
「どうなってんだよ...............」





俺が見つけたのは、レイドライザーを使って変身しているレイダー。人間が変身しているのだろうが、明らかに意思を持っていながらその意思をだれかに支配されているように思う。

一方で虎太郎が見つけたのは機械生命体———————ロイミュード。仮面ライダードライブの敵である。俺たちが見つけたのは、どうやら029の進化態のアイアンロイミュードという名前だそうだ。いずれにせよ、今回初めての敵という事で油断は禁物だ...........





「虎太郎、行くぞ!」
「ああ。」
『待ちたまえ。』
「サウザー——————!」
「またお前か............」
「エグゼイド、君の強さは危険だ。社長命令で廃棄処分にする!」
「俺にムテキの力がある限りそれはできない。」
「本当にそうかな————————?」
「才、アイツは企んでるぞ———————気をつけたほうがいい。」
『お前らの好きにはさせん!』
「黒澤天青!」
「小原————————ここで決着をつけるぞ。」
「それはどうかな?」





ここで皆の痺れが切れたのか、戦闘準備を開始する。





≪ゼツメツ! EVOLUTION! BREAK HORN!≫




≪ハイパームテキ!≫



≪シャバドゥビ タッチ ヘンシーン!≫





「「「「変身!!!!!」」」」




≪チェンジ! ナウ!≫





≪パーフェクトライズ! THOUSER is born. Presented by “OHARA”≫





≪パッカーン! ハイパームテキエグゼーイド!≫















冷静になってから考えてみると、クウガの角を金と見るならばここにいる仮面ライダーは全て金色と言うことができる———————金とは本来最強の者に与えられる物だ。すなわち、ここで金色を名乗れるのはただ1人である。それができるのはただ1人——————————俺だ!


































≪ガシャコンキースラッシャー!≫





≪サウザンドジャッカー!≫





「さて——————どう攻略するか............」
「虎太郎、お前はソーサラーをどうにかしてくれ。俺はサウザーとレイダーとロイミュードをどうにかする——————!」
「了解———————」






キースラッシャー片手にまずは本来の目的であるレイダーとロイミュードを倒してから。そのあとは後で考えよう。


キースラッシャーのアックス部分が火花を立ててバトルレイダーを斬り裂く。流石はOHARAクオリティーというべきか、ダメージ値が思ったほど好調ではない。


連携攻撃かは知らないが、後退したレイダーの後ろからやってくるアイアンロイミュード。アックスを振り下ろすが、こちらもアイアンという名に恥ない硬度を誇っている。斬撃が止まってしまったので、致し方なくその機械の体を拒絶するように思いっきり蹴り飛ばす。






一方のクウガは————————俺の初めて見る姿に変身していた。仮面ライダークウガ ライジングタイタンフォーム。



このフォーム見たことがあるといえば、あるのだがあのライトニングホーネットの電撃を受けてからのライジングフォームでは見たことがなかった。その力からなのか、以前はタイタンフォームで苦戦していたソーサラーと互角以上に戦えている。


クウガの振り下ろす剣の威力は電撃によりさらに強大なものと化している。さらには刃が長くなったことでソーサラーの持つ薙刀とのリーチも取れるようになっている。





「なるほど———————少しは強くなったか.........」
「ああ、お前を倒せるくらいにはな。」
「たわけ。貴様のような若造などまだまだ私のもとには及ばん!」
「それはどうかな?」





≪サンダー! ナウ!≫





薙刀に雷を纏わせ対抗するソーサラー。だが、これで互角なわけがない。ライジングタイタンの力の本質はカラミティタイタンの電斬撃ではなく、それをも軽々と振ることができるその強大なパワーと防御力である。


その証拠にソーサラーの攻撃は当たっているのに、一向に致命傷を負っていないのがその証拠だ。それを踏まえて攻撃力が大して変わらないのであれば、クウガに有利な状況となる。





≪ジャックライズ! JACKING BREAK!≫





「余所見するな!」
「おっと.........あまりに退屈すぎて他のところ解説してたよ。」
「フン!」





フレイミングタイガーの技———————爆炎が俺に襲いかかってくる。人間の本能上、どうしても受け身をとってしまうがムテキなので全く効果がない。


お返しにキースラッシャーのガンモードの銃撃をお見舞いする。キースラッシャーなどのガシャコンウェポンはムテキが強くなるにつれてどんどん強化される。このような何気ない一撃ですらも必殺級のダメージにもなる。裏を返せば、それを受けても大して効いていないサウザーの硬度もなかなか素晴らしい物である。





「このままやってても埒が明かないな—————」
「そうだ!——————これがムテキの弱点!耐久値が高ければ、いずれ君も疲弊する。そのうちに仲間が潰されれば君は詰む。」
「そっか———————よし!新しい力を試してやる。」
「何だと?」





≪パーフェクトパズル!≫





ガシャットギアデュアルを左に回す。前回見せたノックアウトファイター。その力はあくまで半分の力だ。この力は残り半分————————あちらが攻撃と揶揄するならば、こちらは特攻といったほうが正解かもしれない。


デュアルガシャットを自分の右足側つけたガシャットギアホルダーにセットする—————————





「パーフェクトパズル——————?」
「お前も知ってると思うが、このガシャットは現実に発売されているパーフェクトパズルを元ネタに作った物だ。ゲーム内容は——————ゲームエリア内の物質を自由に操って戦うパズルゲームだ。それは........エナジーアイテムですら例外じゃない。」
「ほう............」
「じゃあ、今から見せてやろう———————」





俺の手に従うように、エナジーアイテムが空中に浮かび上がる。そこからはパズルゲームと同じ容量でコンボを決める。——————————今日のコンボは..............これだ!





≪鋼鉄化!≫





ガシャコンキースラッシャーにそれを付与する。そしてさらに——————!





≪混乱! 挑発!≫





バトルレイダーには混乱をサウザーには挑発のエナジーアイテムを付与する。
予想通り、混乱状態に陥ったバトルレイダーは挑発をしているサウザーを攻撃し始める。


残されたアイアンロイミュードを鋼鉄の戦斧の三段強攻撃で斬り裂く。鋼鉄と化したその戦斧から繰り出される斬撃は下手な必殺技の10倍は威力のある優れものだ。


次は———————と思っていたが、ロイミュードは悪あがきのように周り一帯を重加速する。俺とサウザーその影響を受けなかったが............





≪ハイスピード! ナウ!≫





ソーサラーはウィザードリングの能力によって重加速を克服する。そこが勝負の分かれ目かのように、ソーサラーは薙刀でクウガを攻撃連打。重加速を克服できなければ、いくら装甲が硬くても攻撃が与えられないので意味がない。


だが———————エナジーアイテムはそれすらも克服する!





≪高速化!≫





パーフェクトパズルの力でクウガにエナジーアイテムを与える。与えられたクウガは、我を取り戻したかのようにソーサラーと交戦する。






≪ガシャット! キメワザ!≫





ガシャコンブレイカーとキースラッシャーを二刀流で対応する———————本来はガシャコンブレイカーのみの必殺ではあるが、二刀流にすることで両方の必殺になる。





≪MIGHTY CRITICAL FINISH!≫





ガシャコンブレイカーを怯んでいるロイミュードに投げつける。それは見事その機械のコア部分に命中し、そのコアを抉ろうとする。そこにトドメのキースラッシャーのガンによるビームを喰らわせる。ガシャコンブレイカーがそのビームの導電線のような役割を果たした。


ロイミュードの体はその一撃によりトドメを刺された——————





「調子に乗るな!!!」
「???!?!?!?!?」
「社長命令に背く者は廃棄だ!!」
「そのテクノロジーを寄越せ!!
「何!——————ぐっ」





≪ジャックライズ!≫





交戦中のクウガのデータをジャックするサウザー。その隙を狙っていたソーサラーをキックで蹴飛ばす。やはり重たい装甲を持っていてもその注射器が痛いのは変わらないようだ。





≪JACKING BREAK!≫





タイタンフォームの強力なパワーを纏ったサウザンドジャッカーをバトルレイダーに振り下ろし、その装甲を一瞬で溶かす。その力は凄まじく、周囲の地面に亀裂を入れるほどであった。


レイダーに変身していたのは、メガネをかけた男。その衝撃の影響なのかはたまたバトルレイダーの変身の影響なのか気を失っている。





「まさかそんな力を身につけているとは——————」
「俺がいる限り、お前はスクールアイドルは潰せない。内浦を潰せない。」
「何だと!?貴様............内浦を潰すつもりか!?」
「内浦の話になれば戦いをもやめるとは............愚かな話だ。」





負けを悟ったのか、それとも俺を精神的に揺さぶりに来てるのかわからないがもう戦うことはなさそうだ。計画を——————少しでも計画を引き出さなければ................その装甲の奥に隠された真実を..............





「内浦は.........俺が守る!お前なんかが潰していい町じゃない!!!」
「ほう.........では『この町の魅力はなんだ?』という問いに君は答えられるのか?」
「それは———————」
「こんな限界集落を有効活用しない手はない...........君もそう思わないか?」
「ふざけるな!—————この町は私の町だ!そんなことは絶対に許さん!」
「それを決めるのは我々ではありません。ですが、いずれ私が全て正しいと証明されることでしょう..........」
「勝手に盛り上がってるが、2つだけはっきりさせておく。内浦は俺たち仮面ライダーが守る。そして内浦はみんなの物だ。誰かが独占する物じゃない!」
「全く———————」
「貴様の考えは甘い.............」
「オイ!」





≪Full bottle comfirmed ready to break≫



≪HACKING BREAK!≫



≪テレポート! ナウ!≫





サウザーは、奪ったフルボトル———————おそらくライトフルボトルの発光が俺たちの目を眩ませる............してやられたと思ったが最後、それは現実のものとなった。





「目的を聞くことができたけど..........肝心の内容が聞き出せなかったな。」
「どうせあの社長のことだ。計画なんかいうはずもない。」
「でも黒澤天青に目的は無さそうだな..........」
「ああ、アイツの目的はあくまで内浦における黒澤家の地位を維持しておきたいが為に戦ってるわけだ。」
「アイツ1人くらいなら俺1人でも———————」
「油断は禁物だ。正直、アイツの力は魔法の種類に依存する傾向にある。裏を返せば、種類が豊富になればその分強くなる。」
「そうか............」
「ここに居ても仕方ない。帰るか.............」
「そうだな、明日は早いしな.........」









一抹の不安を抱えつつも、明日を目指して進むしかないのだ。俺たちに明日を迎えないという選択肢はないのだ———————






















































































—————※—————









































「おーい!!!梨子ちゃーん!!!」
「おはヨーソロー!!!」
「よっ、梨子。」
「おはよう。」
「梨子ちゃんの分の掃除道具もあるよ。」
「みんなでやれば早く終わる!—————さぁやろう!」
「とか言って、才君はサボりたいだけでしょ!?」
「間違いないな。」
「心を見透かしあがった............!」





いやしかし、ただサボろうとしていたわけではない。俺は町民1番乗りでこの場所にやってきたわけだ。その理由はただ一つ—————————不審人物及び怪人を取り締まるためだ。すなわちそのサボりは合法とされる。当たり前だよなぁ?





「若い者がいると助かるねぇ〜!!!!」
「筋肉には自信があるんだ!」
「じゃあこれも頼むよ!!」
「おう!ドンと来あがれ!!」
「竜介先生も張り切ってるな〜」
「この町ってこんなに人がいたんだ———————」
「うん!学校の先生や生徒も志満ねぇや美渡ねぇも内浦のほぼ全員が来てると思うよ!!」
「毎年こんな感じ?」
「ああ——————多分そうだな。」
「これなんじゃないかな............?学校のこの町の良いところって———————!」


そういうことなのか——————!つまりはこの町の一体性、暖かい善意の心みんなの............!


これは俺たち地元の人間じゃ気付けなかった。この町を守ろうとしていた本当の意味————————この町の善意そのもの。考えてみれば、俺の戦いだした理由。Aqoursの守護者として、町の守護者として戦おうとした理由。全てが人間の善意から————————!






「そうだ!!!」






千歌は何か良案を思いついたのか、みんなに注目されるような皆より1段高い場所へと向かう—————————階段をドタドタと上がる音にみんなが察知し始める。そして皆が千歌に注目が集まった時に————————





『皆さん!』





——————次に声を発したのは千歌ではなく、サウザー。アイツ何しに来たんだ..........?






「皆さん、この地域の学校浦の星学院にスクールアイドル部Aqoursというグループが誕生したのはご存知な方も多いと思われます。スクールアイドルのライブによる経済的かつ勉学的問題が発生しているのは、最近の社会問題と化しています!!」





やめろ!——————と叫ぶ前には体が既に動いていた。俺はもちろん、虎太郎もだ。サウザー目掛けて一直線だったが、幸いにも前方だけは確認できた。前方にもサウザーを目の敵にしている男————————深天稜その男がこちらに走ってきていた。


誰が走って来るなんて関係ない。今はサウザーを——————————だが、ここで三下の護衛がサウザーが立つ台の下を取り囲み、俺たちから守ろうとする。流石にここで暴動を起こすわけには...........しかし..........!





「Aqoursというスクールアイドルがこの内浦にどれほどの損害をもたらしたかを知っておりますか?彼らのライブは内浦——————いや、沼津の1日の産業の3分の1を失わせた!それがラブライブが産業に与える破壊行為そのものだ!!!今こそ!NEW内浦をこの海開きから!始めようではありませんか!!」
「小原素晴らしい!」
「小原は違うなぁ!!!」
「流石!小原!!!」






小原——————いやこれは明らかにサウザーを称えるものだ。その証拠に、ここに果南とダイヤで来ていた鞠莉は表情を曇らせていることがその証拠である。俺はその瞬間に、これは違う。謀り者がいる!と心の中で叫んだが、そんな根拠もない主張をしても足場が悪くなるだけだ。


この場にはおそらく、黒澤天青がいるはずだ。もしその2人の戦いが始まってしまったら.............クソっ!





「才。」
「ッ!竜介先生!俺たちどうすれば.........!?」
「まぁ見てろ!」
「え?——————」

















『あの!!皆さん!!』

















千歌の号令にサウザーに集まっていた注目が一気にこちらに向く——————スクールアイドルの株をとことんまで下げられて、今更何を............






「私たち!浦の星学院スクールアイドル————————Aqoursです!!私たちは!学校を廃校にさせないために!ここに生徒を集めるために!皆さんに協力してほしいことがあります!」
「皆さんこの娘はs」
「みんなの力で!善意で!学校を救いましょう!!!!!!!!」








うおおおおおおおおおお!!!!!!!!










漁師の男どもが賛同の雄叫びを上げる。女どもが賛同の微笑みでその勇気を返す。










「Aqoursか……侮れんな。」





 
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