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ドリトル先生のダイヤモンド婚式 

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第三幕その六

「戦争や災害とか以外はね」
「そうなんだね」
「平成の頃の震災も大変だったけれど」
「昭和の戦争や災害もだね」
「大変だったわ、けれどそうしたこと以外はね」
「今ではだね」
「いい思い出よ」
 そうなっているというのです。
「もうね」96
「そうなっているんだね」
「ええ、そしてそれはね」
「田中さんご夫婦もだね」
「同じ筈よ」
「そうなんだね」
「もうお二人共八十かそれに近いけれど」
 そうしたお歳でもというのです。
「けれどね」
「昭和それに平成と」
「その殆どがね」
「いい思い出だね」
「そうなっている筈よ」
「それはいいことだね」
「そうよね、じゃあ先生のことお話しておくから」
「そのことを頼むよ」
「任せてね」  
 笑顔で約束してでした。
 お静さんは帰りました、その後で。
 先生は動物の皆にお茶を飲みつつお話しました。
「いいことだね」
「そうだよね、ダイアモンド婚式迎えるなんて」
「ご近所にもそうしたご夫婦がいるなんて」
「六十年の間ずっと一緒にいられてるなんて」
「いいことよね」
「そう思うよ、ではそのお二人をね」
 先生は穏やかなお顔で語りました。
「僕達もお祝いしてあげよう」
「そうしましょう」
「金婚式も嬉しいことだけれど」
「ダイアモンド婚式なんて尚更だから」
「是非共ね」
「お祝いしてあげましょう」
「そうしようね、プレゼントなんかもね」
 こちらもというのです。
「考えよう」
「何がいいかな」
「お二人の為には」
「プレゼントも考えるわね」
「具体的に何がいいのか」
「そうなるね、まあそのことはね」
 笑顔のままです、先生は言いました。
「お会いしてから考えようか」
「そのご夫婦にね」
「どんなものが相応しいか」
「そのことを考えようね」
「お会いしてから」
「そうしようね」
 こう言うのでした。
「皆で、ただどういう人達か」
「そのご夫婦がだね」
「八十かそれ位っていうけれど」
「一体どんな人達か」
「そのことも興味があるね」
「まあ六十年ずっと一緒にいられる位だから」
 それでというのです。
「お二人共いい人達だね」
「問題のある人達だと離婚しているよね」
「それか破滅しているし」
「若しくは心の悪いものが身体に影響して病気になってね」
「それでお亡くなりになってるね」
「そうだよね」
「憎まれっ子世にはばかるというけれど」
 それでもというのです。 
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