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星河の覇皇

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第八十一部第三章 無関心でいられる訳その十九

「あの国とは常に何かあるわ」
「衝突ばかりですね」
「それも相手から仕掛けて来るね」
 これも常だ、日本から韓国に仕掛けたことはないのがこの時代まで続く日韓関係の構図である。
「そうしてばかりよ」
「おかしなことに」
「私が首相になってからもね」
「常にそうですね」
「最初からそうなるとは思っていたわ」
「ですがそれでもですね」
「厄介に思っているわ」
 伊東はその本音を述べた。
「まことにね」
「左様ですね」
「けれど何かしない訳にはいかないわ」
 無策ではいられないというのだ、伊東が政治において一番してはならないことと考えて避けているのだ。
「まことにね」
「だからこそですね」
「今回も手を打つわ」
「では」
 小柳も頷いた、そしてだった。
 伊東はブラジルとの外交問題に取り掛かりそちらを終わらせその後で韓国にもあたった、その日本を見てだった。
 金は中央政府内務省において内務省のスタッフ達にこんなことを言った。
「日本の伊東首相は見事な方ですね」
「全くですね」
「いつも思うことですが」
「内政も外交も的確です」
「動きも迅速で」
「策士でもありますし」
「はい、日本は素晴らしい宰相を持っています」
 金はスタッフ達に述べた。
「これ以上はないまでに、しかし」
「しかし?」
「しかしといいますと」
「何かありましたか」
「はい、私の祖国ですが」
 こう前置きして話すのだった。
「韓国はその伊東首相にもですね」
「常にですね」
「仕掛けていますね」
「日本のこれまでの政権に対してもそうでしたか」
「何かしら仕掛けてです」
「衝突を繰り返していますね」
「他国の艦艇に砲塔を向けるなぞ」
 伊東は韓国軍が行ったその行為についてどうかという顔で述べた。
「非はどちらにあるか」
「明白ですね」
「相手がどの国であってもです」
「連合の法であってはなりません」
「戦闘行為とも捉えられます」
「これまでその様なことをした国があったか」
「これがエウロパ軍なら問題はないですが」
 しかしというのだ。
「ですがそれでもです」
「相手が連合の国ならば」
「その様なことは許されないです」
「ましてや日本側にいる艦艇に行ったのですから」
「弁明のしようがないものですが」
「それをです」
 金は難しい顔のまま述べた。
「行うとは」
「どうかしています」
「韓国政府はよくこういうことをします」
「日本に対しては」
「そして批判されていますが」
「あらためないですね」
「市民もです」
 金は韓国市民の話をした。 
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