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星河の覇皇

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第八十一部第三章 無関心でいられる訳その十一

「王よりも上です」
「我が国の天皇陛下、エチオピア皇帝、ローマ教皇」
「お三方がですね」
「皇帝即ち帝王でね」
 それでというのだ。
「その立場でね」
「まさにですね」
「そう、そしてね」
 さらにと言うのだった。
「その下にね」
「王となりますね」
「君主よ、ただこれは連合で」
「エウロパではですね」
「国家元首である王や大公があって」
「その下にですね」
「国家元首にはなれないけれど」
 エウロパの国家制度ではそうなっている、各国の国家元首になれるのは国王そして大公となっているのだ。君主制の国家ではだ。
「公候伯子男とね」
「爵位がありますね」
「無意味なね」
 伊東は連合特有の貴族に対する侮蔑も述べた。
「それがあるわ」
「左様ですね」
「そしてね」
 そのうえでというのだ。
「騎士や紳士がいるわね」
「随分と複雑な階級制度ですね」
「貴族社会ならではのね、けれどこれはエウロパの話で」
「連合ではですね」
「王の次はね」
「共和制の国家元首ですね」
「大統領や国家主席となるわ」
 そうした称号の者達にというのだ。
「まあ連合の各国の九割程が共和制でね」
「それで、ですね」
「その下に閣僚となって」
「その首座のですね」
「首相となるわ」
「そしてですね」
「私もそこにいるわ」
 首相だからだ。
「首相は所詮首相風情よ」
「国家元首ではないですね」
「権威はないわ」
 この立場にというのだ。
「だからここまで落ちるのよ」
「そういうことですね」
「そう、そしてね」
 伊東はさらに言った。
「アッディ―ン大統領が皇帝に即位する時は」
「その式では」
「陛下に行って頂くわ、若し陛下が無理であられるなら」
「皇太子殿下にですね」
「行って頂くわ」
 そうするというのだ。
「その時はね」
「皇太子殿下ですか」
「そうよ、しかし皇室も規模が大きくないと」
 ここで伊東はこうも言った。
「何かと困るから」
「宮家もですね」
「多くね」
「あってこそですね」
「ことが容易になるわ」
「皇室外交もご公務も」
「皇室の規模が小さいと」
 それこそとだ、また言った伊東だった。
「その皇室のね」
「限られた方々にですね」
「ご負担をかけるから」
「皇室にとってよくないですね」
「ひいては我が国にもね」
 日本という国のとってもというのだ。 
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