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星河の覇皇

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第八十一部第三章 無関心でいられる訳その十

「だからね」
「挨拶をしてもですね」
「接点はね」
 そして利害関係はというのだ。
「どうしてもね」
「僅かですね」
「そうよ、実にね」
「それが現実ですね」
「だからね」
 それ故にというのだ。
「サハラのことはね」
「首相としては」
「在留している市民、外交官の安全が守られるなら」
「それで構わないですね」
「そうよ、それでね」
 それが確かならというのだ。
「私はね」
「それでよく」
「後はね」
「何もですね」
「求めることはないわ」
「サハラに対して」
「国益もね」 
 政治では最も重要なこれもというのだ。
「サハラにおいてはないに等しいから」
「まさにゼロコンマ幾つの割合なので」
「だからサハラについてはね」
「大してですね」
「私はしないわ、ただアッディーン大統領は」
 伊東は彼の話もした。
「統一すればサハラの皇帝になるわね」
「サハラを治める唯一の元首にですね」
「なるわ、その即位式にはね」
「然るべき方が、ですか」
「行かれることになるわ」
「陛下が」
「そうよ、皇帝に対してはね」
 この座への即位式にはというのだ。
「幾ら縁が薄いといっても」
「礼儀を払うものであり」
「やはり帝がね」
 天皇陛下がというのだ。
「サハラまでね」
「行かれることになりますね」
「そうなるわ、もうこれはね」
「外交儀礼としてですね」
「当然のことよ」
 まさにというのだ。
「だからね」
「その時は」
「帝に行って頂くわ」
 これが伊東の考えだった。
「その時はね」
「わかりました」 
 小柳は伊東のその言葉に頷いて応えた、そうしつつ野菜の酢のものを食べた、野菜の切り方も酢の味付けも実に見事だ。
「それでは」
「ええ、ただね」
「ただ、といいますと」
「これは日本だけでなくね」
「連合の全ての国がですか」
「そうよ、どの国もね」
 まさにというのだ。
「国家元首かそれに準ずる」
「その地位にある方々が行かれますか」
「当然の礼儀としてね」
 そうなるというのだ。
「首相では役不足よ」
「皇帝と比べると」
「それは連合を見てもわかるわね」
「はい、皇帝は国家元首の最上位にあります」
 小柳は伊東にすぐに答えた、今は二人共酒は飲んでいない。酔って出来る話ではないと判断してだ。 
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