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星河の覇皇

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第八十一部第三章 無関心でいられる訳その七

「別にどうってことないな」
「連合に影響殆どないのが大きいぜ」
「もう難民も出ないだろうし」
「精々亡命者来るだけか」
「負けた方の政府要人が亡命してくるか」
「その連中を受け入れる位か」
「じゃあこれといってもな」
 まさにというのだった。
「戦争は早く終わってくれって思って」
「そうここで思うだけか」
「何かオムダーマン凄い勝ち方したみたいにしても」
「それを研究するのは軍隊の仕事だろ」
「じゃあそっちは軍隊に任せて」
「俺達は俺達の仕事しないとな」
「学生なら勉強してな」
 今度は日常の話になった、彼等のそれにだ。
「俺風邪ひいてるんだけれどな」
「じゃあ寝ろよ。お前」
「薬飲んで寝ろ」
「風邪は万病の元だぞ」
「ネットやってる場合じゃないだろ」
 風邪が万病の元であるという認識はこの時代でも同じだ、この時代風邪薬もかなり進歩しているがそれでも風邪はなるものだ。
「とっとと寝ろ」
「サハラのことは置いておいてな」
「今はネットしてないで寝ろ」
「あったかいスープたっぷり飲んでな」
「オレンジとかネーブルもいいぞ」
 柑橘類で栄養を摂れともいうのだ。
「とにかく食ってな」
「そしてあったかくして寝ろ」
「ベッドの中でな」
「それで汗かけよ」
「汗かけば治るからな」
 書き込みをしている者達も熱心に言った、とかく連合においてオムダーマンの勝利はリアルで伝わったがそれでもだった。
 そのことについての注目は低かった、各国政府でも市民達でもそれは同じであり日本の首相である伊東もだ。
 小柳に対してだ、その話を聞いて言った。
「そのことは頭の中に入れておくけれど」
「それでもですね」
「ええ、日本の政策としてね」
「それが直接影響することはですね」
「殆どないわ、サハラとの関係自体がね」
「日本は非常に微々たるもので」
「大使が無事なら」
 サハラに送っている、というなら。
「それでいいから」
「今はサハラ在住の日本人がいても」
「戦場近くにはいないから」
 このことは既に確認済だ、サハラの戦乱で連合の関心はあくまで各国市民の安全であり他のことはさしてないのだ。
「だからね」
「それではですね」
「さしあたってはいいわ、ただね」
「戦局を見て」
「ええ、市民の安全はね」
「確保しないといけないですね」
「一人でもね」
 日本人がいればというのだ。
「何があってもね」
「安全の確保ですね」
「若しどちらかの国の敗北が決定となって」
「相手国が侵攻を強めるなら」
「その時はね」
「すぐに大使館に連絡して」
「ええ、在サハラ日本人を集めて」
 そのうえでというのだ。
「大使館員の案内を受けて」
「そのうえで、ですね」
「避難することよ」
「それが大事ですね」
「安全圏までね、それが大事だけれど」
「今は、ですね」
「まだいいわね。ただどうも」
 ここでだ、伊東はその目を光らせた。そのうえで小柳にあらためて話した。 
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