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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その四十六

「特にね」
「何でも食わないとか」
「お肉もお野菜もで」
「お魚もか」
「あんたは果物も好きだし」
 それならというのだ。
「お魚もね」
「食べないと駄目か」
「昔から好きじゃないわよね」
「匂いがな」
 魚独特のそれがというのだ。
「苦手なんだよ」
「それでなのね」
「けれどその匂いもか」
「どうしても駄目なら仕方ないけれど」
 それでもというのだ。
「そうでないならね」
「食べてか」
「そう、そしてね」
「頑丈な身体にならないと駄目か」
「あと身体も柔らかくでしょ」
 姉はこうも言った。
「柔道は」
「それだよ」
 まさにとだ、弟は姉に答えた。
「だから柔の道なんだよ」
「力だけじゃなくてよね」
「技も大事でな」
「身体もね」
「柔らかくないとな」
 それこそというのだ。
「駄目なんだよ」
「だからあんた毎日柔軟体操してるのよね」
「朝と寝る前にな」
 朝起きた時にいつもしているのだ。
「いつもしてるよ」
「欠かさないわね」
「だから柔道だからさ」
 何といってもという言葉だった。
「それを忘れたらな」
「駄目ってことね」
「あれを忘れたら」
「身体が固くなって」
 それでというのだ。
「柔道じゃなくなるんだよ、それにさ」
「身体が固いとね」
「その分怪我しやすいしさ」
「そうよね」
「レスリングだって身体が柔らかくないと」
 この格闘技もというのだ。
「駄目だしさ」
「それ言われてるわね」
「柔軟は大事だよ」
「身体を柔らかくする為に」
「本当に怪我するし」
「特に柔道はってことね」
「そうさ、身体が固いと」
 どうしてもとだ、弟は姉に力説した。
「駄目だしさ、だから今夜も」
「歯を磨いてからよね」
「柔軟をしてな」
 そしてというのだ。
「寝るよ」
「それは忘れないってことね」
「絶対にな、じゃあ歯を磨いてくるから」
 弟はこう言って歯を磨きに行った、姉はビールをしこたま飲みそれから自分も歯を磨いて寝た。そのうえで次の日の仕事に赴くのだった。 
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