星河の覇皇
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第八十一部第二章 軍事の素養その三十八
「危ないでしょ」
「そうだよね」
「世の中何が起こるかわからないのよ」
この現実をだった、姉は話した。
「変な人だってね」
「いるよね」
「立場のある人とかね」
「狙われやすいよね」
「そう、だからね」
「ボディーガードやガードマンも必要だね」
弟もこのことはわかっていた、椅子に座ってそうして大きなコップで牛乳を飲んでいる。実に豪快な調子である。
「やっぱり」
「そうよ、さもないとね」
「何かがあるね」
「その何かがあったら」
そうなったらというのだ。
「手遅れでしょ」
「それはね」
「そう、何もない為に」
「事前にだね」
「旦那様の警護もよ」
これもというのだ。
「しっかりしていないといけないから」
「俺が就職したら」
マールボロ家にとだ、弟はまた言った。
「その時はだね」
「そうよ、あんたの体格と柔道なら」
「格闘も出来るなら」
「それならね」
「いいんだね」
「そうよ、あとね」
姉は弟にさらに話した。
「あんたの弱い者いじめとかしない性格もね」
「それ常識じゃないの?」
「常識のない奴も世の中いるのよ」
これはこの時代のエウロパも然りだ、格闘技をしていてもそれを行ってはならない様な性根の輩も存在しているのだ。
「これがね」
「それはね」
「あんたもわかるでしょ」
「うん、いるね」
実際にとだ、弟も答えた。
「世の中には」
「そんな奴じゃないから」
「余計にいいんだ」
「性根の腐った奴がボディーガードとかしたら」
弱い者いじめをする様な輩はというのだ。
「絶対によ」
「駄目だね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「あんたはそこからもね」
「ボディーガードとかに向いているんだ」
「強くても」
例えそうであってもというのだ。
「腐った奴は駄目ってことよ」
「ううん、何かね」
「何か?」
「姉ちゃん駄目な奴も見てきてるんだ」
「いや、この目ではね」
どうかとだ、姉は弟にすぐに話した。
「そんなに見ていないけれど」
「聞くんだ」
「弱い者いじめが好きで強い相手に媚びる様な奴はね」
「まあすぐにわかるかな」
「わかるわよ、大学の時の友達でそうした奴を知ってるのがね」
「いたんだ」
「そうなのよ、腐れ外道な奴をね」
姉は弟に否定を込めて話した。
「そんな奴で高校で徹底的に嫌われていたらしいのよ」
「性格が悪くて」
「そう、あんまりにも悪くて」
その性格がというのだ。
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