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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その三十七

「俺もだよ」
「目標にしてるのね」
「そうなんだよ」
 そうなるというのだ。
「俺としてはね」
「そうなのね」
「それでね」
「それで?」
「もう一つ思うことは」
 それはというと。
「俺この体格だからね」
「柔道に向いてるっていうのね」
「いや、何か小柄な人の方が」
 柔道にはというのだ。
「向いてるっていうけれど」
「そうなの?」
「柔よく剛を制すっていうか」 
 その様にというのだ。
「言われてるし」
「そうなの」
「そう、そしてね」
「そして?」
「だから俺は」
 自分の体格から言うのだった。
「倒される方かな」
「それは考え過ぎでしょ」
 姉は弟の言葉にどうかという顔で返した。
「幾ら何でも」
「そうかな」
「ええ、柔道にも階級あるんでしょ」
「体重別でね」
 このことはこの時代でもそうであり連合でもエウロパでも同じだ、ただどちらでも無差別級という体重に関係ない階級も存在している。
「あるよ」
「それじゃあね」
「その階級別でやっていてよくて」
「そうした言葉はね」
 柔よく剛を制すというそれはというのだ。
「あまりね」
「気にしなくていいかな」
「そう思うわ」
 こう言うのだった、弟に。
「別にね」
「そうなんだ」
「そう、後ね」
「後?」
「あんた大学行くのよね」
「行けたらね」
 そうするとだ、弟は姉に答えた。
「そのつもりだよ」
「それじゃあ大学を出たら」
 それからとだ、姉は今度は弟の将来の話をした。
「それからはやっぱりね」
「マールボロ家に就職だよね」
「うちの家は代々そうだから」
 マールボロ家の使用人に就職するというのだ。
「俺もだよね」
「ええ、あんたの体格だと」
「ボディーガード?」
「そうなるかもね」
「それかな」
「柔道をやってるなら」
 しかもそこで有段者にもなると、というのだ。
「そこから拳銃とか警棒の扱いも勉強して」
「それでだね」
「ボディーガードかね」
「ガードマンかな」
「そうなるかもね、何だかんだでね」
「旦那様の身の回りもね」
「しっかりしていないと」
 警護が確かでないと、というのだ。 
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