星河の覇皇
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第八十一部第二章 軍事の素養その三十九
「嫌われていて今はチンピラらしいわ」
「そうした奴の話を聞いていて」
「あんたもよ」
弟もというのだ。
「そんな奴になって欲しくないし」
「そんな奴じゃないから」
「そう、だからね」
それ故にというのだ。
「あんたはね」
「ボディーガードに向いてるんだ」
「ガードマンにも」
警護の仕事にというのだ。
「どちらもね」
「それじゃあ」
「結構先だけれど」
高校に入学して卒業してだ、大学も過ごしてというのだ。少年時代の時の流れの感覚を考えると結構な長さだ。姉は大学を卒業してそれ程時間が経っていないのでそれでこうした感覚もまだ肌でわかっていて言えるのだ。
「就職したら」
「その時は」
「そう、頼むわよ」
こう言うのだった。
「ガードマンとしてね」
「じゃあそれまでは」
「武道の腕を磨いて」
柔道のそれをというのだ。
「そしてね」
「強くなってだね」
「頼むわね」
「ううん、ガードマンとか」
「まあそうじゃなくても」
警護の仕事に就かなくともというのだ。
「あんたの就職先は決まってるわよ」
「マールボロ家だね」
「そのことはね」
既にというのだ。
「決まってるわよ」
「いいことかな」
「それで生きていけるなら」
就職が既に決まっていてというのだ。
「それならね」
「いいんだな」
「そうよ、お金がないと」
仕事でそれを得てというのだ。
「どうして生きていけるのよ」
「それはそうだよな」
「一生生きていけるだけの貯金があるか」
それかとだ、姉はさらに話した。
「年金とかで」
「それで生きている人もいるよな」
「お年寄りとか身体の弱い人はね」
「それが出来るよな」
「そう、出来るけれど」
それでもというのだ。
「そうでもないなら」
「働いてか」
「生きるしかないから」
それが世の中というものだからだというのだ、何かしらの問題がない限り働かずしてというのはこの時代でも変わらない摂理だ。
「あんたもよ」
「マールボロ家でお仕えすることが決まってるならか」
「いいでしょ、それに別に嫌でもないでしょ」
「あのお屋敷奇麗だしな」
弟も姉も子供の頃から出入りしている、代々仕えている家なので親を訪ねたりして出入りもしているのだ。
「ちゃんと設備も整っててな」
「お給料も高いわよ」
「それで他のこともだよな」
弟は福利厚生の話もした。
「いいんだよな」
「かなりね、だからね」
それでというのだ。
「働いてね」
「損はしないか」
「貴族のお屋敷にお仕えするのは」
エウロパではよくある仕事の一つだ。
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