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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その三十六

「そうしなさい、私もね」
「お姉ちゃんもなんだ」
「高校、そして大学のね」
「入学の時もだったんだ」
「お祝いしてもらって」
 そしてというのだ。
「その品を受けてるから」
「旦那様も親切だね」
「貴族だったら当然らしいから」
「家に仕えている人にお祝いごとがあったら」
 それが入学でもというのだ。
「それならね」
「お祝いをしないといけないんだ」
「絶対にらしいのよ」
「そんなの法律であるの?」
「ないけれど」
 それでもというのだ。
「マナーとしてね」
「そういうのあるらしいんだ」
「そうなのよ、だからこっちもね」
 家に仕える者達としてもというのだ。
「ちゃんとね」
「受けないといけないの」
「そうなの」
 これがというのだ。
「だからね」
「ここはね」
 是非にと言うのだった。
「あんたも受けなさい」
「それじゃあ」
「というかあんた遠慮しがちね、いつも」
 一軒家である、ごく普通の。姉はそこで弟に話していた。リビングでは母親が食事の支度をしている。二人の父親はマールボロ家の運転手である。
「子供の頃から」
「そうかな」
「ええ、謙虚はいいけれど」
 それでもとだ、姉は言うのだった。
「遠慮ばかりはね」
「よくないって言ってるね、いつも」
「図々しいよりかはましかも知れないけれど」
 それでもというのだ。
「遠慮ばかりもね」
「よくないのね」
「そう、いいことを逃すわよ」
 そうなるからだというのだ。
「だからね」
「ここはなんだね」
「受け取りなさい、あとね」
「あと?」
「あんた高校でも柔道するのよね」
「ああ、するよ」
 弟は姉にすぐに答えた、見れば外見は全く違うが髪の毛と目の色は同じだ。
「またね」
「そうなのね」
「二段になったし」
 それでというのだ。
「高校でもね」
「続けてなのね」
「まず三段になって」
 そしてというのだ。
「そのうえでね」
「さらにしていくのね」
「ヘーシングみたいになるから」
 アントン=ヘーシングである、東京オリンピックで金メダルを獲得し欧州の柔道を確立した人物だ。
「絶対にね」
「大きく出たわね」
「大きくというか」
「違うの?」
「尊敬してるから」
 だからだというのだ。 
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