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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その十九

「武力はそこに理性や法律がありだ」
「制御が利きますね」
「必ず」
「そういった力ですね」
「それが武力ですね」
「暴力にはそういったものはない」
 こちらの力にはというのだ。
「そこが違う」
「だからですね」
「閣下としては」
「武力だ」
 こちらの力だというのだ。
「それを考えている」
「暴力ではないですね」
「決して」
「暴力には理性も法律もない」
「だから使いませんね」
「手に入れることもですね」
「しない」
 絶対にという言葉だった。
「私はな」
「暴力は政府が持つべきではないですね」
「法律を担う政府が」
「それが政府が使っては」
「絶対にそうあってはならないですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「私は暴力は使わずだ」
「武力ですね」
「軍隊でも警察でもね」
「その力であるべきだとですね」
「お考えですね」
「その通りだ、暴力を手に入れて悦に入っている者はだ」
 ジャバルはそうした輩に対しては軽蔑の念を込めて言った。
「小物だ」
「ただ腕力を手に入れてですね」
「感情の赴くままに自分より弱い相手をいたぶる」
「そうした輩はですね」
「閣下は軽蔑されますね」
「二流だ、あと何かしらの権力を手に入れてだ」
 そのうえでというのだ。
「それで脅しをかけたりする輩もいるが」
「それもですね」
「小物ですね」
「小さいですね」
「閣下から見て」
「小悪党だ」
 これ以上ない軽蔑を込めてだ、ジャバルはこうも言った。
「私は小悪党は嫌いだ」
「だからですね」
「暴力を否定され」
「そしてですね」
「権力を手に入れも悦には入られない」
「左様ですね」
「人は生まれたならだ」
 それならばというのだ。
「小物になってはな」
「意味がない」
「そう言われるのですね」
「大器になれ」
「左様ですね」
「そうだ、暴力を手に入れるならだ」
 それよりもというのだ。
「まず理性を備えることだ」
「その力を制御する」
「自身で、ですね」
「その術を身に着けるべき」
「そうだというのですね」
「そうだ、権力を手に入れてもな」
 例えそれがどういった場でもというのだ。 
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