| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八十一部第二章 軍事の素養その十八

「完全にな」
「これまでの人間ではない立場から」
「人間になりだ」
 そしてというのだ。
「権利もだ」
「獲得されるのですね」
「そうだ」
 こう言うのだった。
「人間としてな」
「はい、我々もです」
「人間です」
「それは紛れもありません」
「我々は人間です」
 ジャバルと共に食事を摂っているアウトカースト層の面々も口々に言う、このことは紛れもないことであると。
「人間だというのに」
「それがです」
「カーストで定められ」
「そしてこの様な扱いです」
「不可触民とされ」
「戸籍にも入れられていません」
 マウリア社会にもいないというのだ、つまりは。
「長い間そうでした」
「人間として扱いを受けず」
「法律でも無視され」
「扱いは悪かったです」
「それも常に」
「それをだ」
 ジャバルは同志達に答えた。
「私がだ」
「変えられますね」
「革命の様に」
「そうされますね」
「武力を用いないが」
 それでもというのだ。
「私は確かにだ」
「革命をですね」
「それを起こされますね」
「これより」
「このマウリアにおいて」
「そうだ、我々を疎外し迫害した社会をだ」
 つまり今のエウロパをというのだ。
「必ずだ」
「そうですね、必ずです」
「武力は用いませんが」
「我々は革命を行います」
「マウリアにおいて」
「アウトカースト層のそれを」
「そういうことだ、革命はだ」
 それはというと。
「フランスやロシアで起こったな」
「急激な社会変革ですね」
「暴力を伴った」
「その印象が強いですね」
「今も」
「サハラでも多く起こっている」
 革命と言うべきそれはだ。
「あそこはクーデターと区別がつきにくいが」
「革命というものは起こっていますね」
「実際に」
「抑圧されていた者達が蜂起し」
「そして政権が倒れることも多かったですね」
「そうだな、この場合武力はだ」
 この力はというと。
「暴力ともな」
「言いますね」
「理性や法律を伴っていないので」
「それで、でしたね」
「暴力ともなりますね」
「そうだ、暴力はだ」
 それはというと。
「私は否定している」
「国政を担う者として」
「それはあってはならないと認識されていますね」
「武力はあっていいが」
「暴力はなりませんね」
「武力と暴力は違う」
 断じてとだ、ジャバルは言い切った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧