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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その十七

「柔らかくする」
「その為にだな」
「ヨーグルトに漬けて」
「風味も備えさせてだな」
「ヨーグルトで柔らかくしてです」
「カリーに入れたか」
「そうしました」
「成程な、カリーもな」
 よく食べる鶏肉のそれもというのだ。
「そうしてな」
「素材や調理を工夫すれば」
 それでというのだ。
「味が変わります」
「それも全くと言っていい程だな」
「そうです、まことにです」 
 まさにとだ、シェフはジャバルに答えた。
「料理もです」
「工夫だな」
「それ次第です」
「ただ普通に作るだけではな」
「普通に美味しいだけです」
「そうだな、しかし」
 それでもと言うのだった、ジャバルも。
「工夫をすればな」
「こうした味になります」
「そういうことだな、カリーはな」
 ジャバルはこの料理自体の話もした。
「マウリア人の料理だ」
「カーストに関係のない」
「アウトカースト層であってもだ」
 つまり自分達でもというのだ。
「普通に食べる」
「そうした料理だからこそ」
「工夫はだ」 
 それはというのだ。
「重要だな」
「左様ですね」
「政治も然りでだ」
 こちらもというのだ。
「そしてだ」
「工夫次第で」
「全く違うものになる」
「同じ政策も」
「それが出来るか出来ないでだ」
 スプーンでカリーを食べつつ言う、使っているスプーンはアウトカースト用の質の悪いものである。アウトカーストはそれを使わなくてはならないのだ。
「政治家としてもだ」
「違いますか」
「料理人と同じくな」
 そうだというのだ。
「全くな」
「左様ですか」
「そして私はだ」
「それが出来ますね」
「そうだ」
 こう料理人に答えた。
「まさにな」
「そしてですね」
「これからもだ」
「マウリアをですね」
「変えていく、私は料理は作られないが」
 その経験はない、彼のカーストはそうしたカーストではないからだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「政治家としてはな」
「それが出来ますね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「マウリア、そしてな」
「私達もですね」
「一千億のアウトカースト層もだ」
 即ち自分達もというのだ。 
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