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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その十五

「いいが警察の中でずっといたな」
「そうした人物をですね」
「いきなり大学で教鞭を取らせるなりしても」
「果たしてどうか」
「適材適所かどうかですね」
「わからない、そこを見抜いてだ」
 そうしてというのだ。
「用いるのがだ」
「閣下ですね」
「適材適所はわかっておられる」
「そうだというのですね」
「その通りだ、私はだ」
 まさにというのだ。
「それがわかっている、ではこれからもだ」
「はい、それぞれの立場において全力を尽くします」
「アウトカースト層の為に」
「そしてマウリアの為に」
 ジャバルの側近達も口々に言った、そうして彼等も彼と共に働こうと決意した。全てはアウトカースト層そしてマウリアの為に。
 だがジャバルは気付いていなかった、何故オムダーマン軍が勝利を収めたのか。それで彼等の勝利を聞いたこの日にだ。
 今もだ、食事中に共に食べている側近達に言った。彼がやがてマウリア軍に入れて重く用いようと考えている者達だ。
「シャイターン主席は油断したのか」
「その様ですね」
「ネット上でも言われていますが」
「今回はです」
「思う様に戦えなかった様ですね」
「彼は政治家としては優秀だが」 
 それでもというのだ。
「しかしだ」
「軍人としてはですね」
「実はそうではなかった」
「だから敗れた」
「そうなのですね」
「そうだろう、思えばだ」 
 カリーを食べつつ言う、今食べているのは鶏肉のものだ。マウリアでは標準的と言っていいカリーである。
「サハラでは数多くの人物がな」
「あの様にして、ですね」
「敗れ去っていますね」
「それまで勝っていても」
「それでもですね」
「敗れていますね」
「最後には」
「シャイターン主席もそうした人物だったか」
 戦場のことを知らずに言うのだった、戦局は観たが八条やタンホイザーが気付いたことはおろか両軍の動きにも気付いていない。
「結果として」
「そう思うとですね」
「真の英傑はアッディーン大統領だった」
「そういうことですか」
「その様だな、やはりな」
 さらに言うのだった。
「シャイターン主席もこれまでだ、だが」
「だが?」
「だがといいますと」
「何かありますか」
「何かお気付きですか」
「気付いてはいない」
 実際にそうだ、彼は今全く気付いていない。
「思っている」
「ではその思われることは」
「一体何でしょうか」
「それは」
「まだ国境での一つの戦闘が終わっただけだ、ならだ」
 それならというのだ。
「まだ戦争は続くかもな」
「ティムールもまだ戦力がある」
「だからですね」
「まだ戦うかも知れない」
「そうだというのですね」
「そうだ、補給のことはわからないが」
 これは両軍のことだ。 
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