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星河の覇皇

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第八十一部第二章 軍事の素養その十四

「どうもな、だからサハラではな」
「千年の戦乱の中で、ですね」
「多くの暴君や愚君、暗君が出て」
「私利私欲に走った」
「酒池肉林に耽ったのですね」
「そうなった、だが私は違う」
 ジャバル自身はというのだ。
「断じてな」
「そこは、ですね」
「違いますね」
「求められるのはアウトカースト層の地位や権益と」
「豊かで格差のないマウリアですね」
「そうだ」
 まさにというのだ。
「そうした国を目指しているからな」
「だからこそですね」
「私利私欲に走らず」
「ことを進めていかれますね」
「必ず」
「そうだ、今の時代贅沢なぞだ」
 これはというと。
「何でもない」
「しようと思えばですね」
「実に簡単に行えますね」
「今の人類の文明のレベルなら」
「マウリアのそれでも」
「そうだ、それこそだ」
 まさにというのだ。
「簡単には」
「手に入れられる」
「特に閣下ならですね」
「まさに手の平を返す様にですね」
「為せる」
 それがというのだ。
「まことにな」
「左様ですね」
「ではですね」
「より大きなことを求められますね」
「遥かに」
「そうだ、手の平を返す様なことなぞだ」
 所詮はという言葉だった。
「私は求めない」
「さらに大きなことをですね」
「遥かにですね」
「求められて」
「そして手に入れられますね」
「そうする」
 必ずと言うのだった。
「私はな」
「では我々も」
「その閣下と共に」
「マウリア、そしてアウトカースト層の為に」
「働いていきます」
「これからも」
「宜しく頼む、私が君達を要職に任命しているのは何故か」
 このことについても言うのだった。
「理由は一つだ」
「何でしょうか」
「その理由とは」
「それに相応しい能力があるからだ」
 これがジャバルの返答だった。
「適材適所だ」
「我々に要職を担えるだけの能力がある」
「だからですか」
「そうだ、私は人を見抜く目には自信がある」
 それにはというのだ。
「だからな」
「その立場に相応しい」
「我々がそうした者だからですか」
「用いて下さいますか」
「そうなのですね」
「それぞれに相応しい立場にな、例えばだ」 
 ジャバルはここでこうも言った。
「機動隊員をいきなり学者にしてもだ」
「適性があるかどうか」
「それがわからないですね」
「若しその隊員が大学で博士号を持っているならだ」
 そこまで学問の素養があればというのだ。 
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