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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその五十

「あくまでな」
「その範疇のことであり」
「今連合は巨大になり過ぎている」
「最早人類社会で一人勝ちなので」
「そうした状況をだ」
「マウリアにとって都合のいい状況にする為に」
「今はだ」
 ジャバルは戦略として、というのだ。
「我々を助けているのだ」
「そういうことですね」
「もっといえば彼は我々を利用している」
 エウロパをというのだ。
「マウリアの為にな」
「そうですね、ですが」
「それが政治だからな」
 もっと言えば国際政治である。
「笑顔を浮かべていてもな」
「その笑顔は国益に対してですね」
「自国のな、だからだ」
「この度も」
「マウリアの為に動いて」
 そしてというのだ。
「そのうえでだ」
「我々を助けてくれる」
「それだけのことだ、だが」
「彼等の国益でもですね」
「貰えるものならな」
「貰っておきますね」
「我々の利益になるならな」
 そうしたものならだというのだ。
「受け取る」
「そういうことですね」
「だから今回も受け取る」
 その情報をというのだ。
「そうする、そしてだ」
「それを役立てますね」
「我々の国益の為にな」
 そうするというのだ。
「是非な」
「それでは」
「その様にな、そしてだ」
 ギルフォードは今度はこんなことを言った。
「今日の夕食のメニューは決まった」
「そちらもですか」
「実は今日はまだ決まってなかった」
「では何にされますか」
「カレーだ」
 これにするというのだ。
「それにする」
「カレーライスですか」
「マウリアの言葉ではカリーだったな」
「そちらにされますか」
「マウリアからの利益を得たのだからな」
 それ故にというのだ。
「この度はだ」
「カレーライスを召し上がられますか」
「幸い今夜はマウリアの財界人達と夕食会だったしな」
「なら余計にいいですね」
「そうだな、カレーライスは」
「彼等にエウロパのカレーを楽しんでもらいつつ」
「親睦を深めていってな」
 そうしてというのだ。
「マウリアとの経済関係もだ」
「より深めていきますね」
「そうしていく、いいな」
「ではその様に」
「そういえばカレーは」
 カミュはこの料理自体について言及した。
「閣下は」
「そうだ、好きだ」
「左様ですね」
「ティーセットも好きだが」
「カレーライスもまた」
「好きだ、酒には合わないが」
 それでもというのだ。 
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