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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその五十一

「食べやすいしな」
「ルーの味の為に」
「よく食べている、特にビーフカレーをな」
「マウリアにはないカレーですね」
「あまりな、マウリア人の多くはヒンズー教徒だ」
 これはジャバルについても同じだ、アウトカースト層でもヒンズー教徒であることに変わりはないのだ。
「だからだ」
「それ故に」
「ビーフカレーは食べない」
「ヒンズー教では牛は神の使いですからね」
「非常に神聖な生きものだ」
「農業に使えてしかもミルクを与えてくれる」
「これ以上はない有り難い存在だ」
 その為ヒンズー教徒達は彼等を尊んでいるのだ。
「その牛を食べるなぞな」
「とんでもないことですね」
「だからだ」
「ビーフカレーもない」
「ステーキもローストビーフもな」
 こういった牛肉料理も言うまでもないことだった。
「ない」
「左様ですね」
「私はステーキも好きだが」
 尚ギルフォードはチキンステーキもポークステーキも好きだ、そしてマトンやラムのステーキもだ。
「マウリアにいるとな」
「食べられないですね」
「残念ながらな」
 そうだというのだ。
「レアのステーキをワインを共に食べる」
「最高の組み合わせですね」
「それが好きだが」
 ワインは赤である。
「しかしだ」
「マウリアにおいては」
「それも楽しめない」
「それが残念ですね」
「マウリアではな、しかしだ」
 それでもと言うのだった。
「それがマウリアということだ」
「彼等の信仰ですね」
「そうだ、ヒンズー教のな」
「その信仰を認めてですね」
「牛肉は食べない、今夜もな」
 マウリアの財界人達と会う、それでビーフカレーを食べるなぞ到底考えられないことであるということだ。
「チキンカレーになる」
「そちらのカレーですね」
「マウリアで一番多いな」
 他には野菜カレーも多い。
「それにする」
「左様ですね」
「それでだが」
 ギルフォードはカレーについてさらに話した。
「エウロパのカレーはマウリアのカリーが元だ」
「元々イギリスに入りましたね」
「それで今に至るが」
 そのカレーがというのだ。
「十九世紀後半に我が国から日本に入ってだ」
「そしてでしたね」
「その日本から連合全体にも広まっている」
「そして今ではですね」
「あちらでも普通に食べられているな」
「それも様々な種類のカレーが」
「連合のハンバーグやソーセージのカレーを再現すると」
 すると、というのだ。
「これが美味かった」
「はい、ああしたカレーもです」
 アランソも言ってきた。
「実際にです」
「美味いな」
「私も好きです、フライやカツのカレーも」
「そちらもな」
「美味しいものです」
「恐ろしいまでにな」
「連合で生まれても」
 それでもというのだ。 
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