| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ハッピークローバー

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二十三話 安売りだったのでその八

「けれどね」
「それでもなのね」
「幸せになれるの」
「そうなのね」
「そうよ、ホルモンだってね」
 今一華が一家と共に食べているそれもというのだ、話をしている母にしても父にしてもホルモンを食べている。
「京都だとね」
「お金持ちだと」
「それも代々とかだと尚更ね」
「お外ではなのね」
「お家の中でこっそりね」
 そうしてというのだ。
「食べることになるわ」
「あけっぴろげに食べないのね」
「プライドもあってね」
 その為にというのだ。
「あっちではそうよ」
「京都はそうよね」
「あそこは私達から見るとね」
 大阪人からというのだ。
「どうしてもね」
「気取ってるのね」
「歴史があって」
 そうしてというのだ。
「それで偉い人はね」
「格式が凄くて」
「お家の古さも言われてよ」
「凄く気取ってるのね」
「お高く止まってるってね」 
 その様にもというのだ。
「言う場合もあるわ」
「そうよね」
「それがあちらでね」
 京都でというのだ。
「一見さんお断りのお店も多いわよ」
「料亭とかで」
「古いね」
「そんなお店どうして行くのよ」
 一華はワインを飲みつつ首を傾げさせた。
「一体」
「誰かに誘われてよ」
「それでなの」
「最初に行ってね」
「それからなの」
「馴染みになるのよ」
「そうなのね、というかお店ならね」 
 飲みながら不機嫌な顔で言った。
「一見さんお断りってないでしょ」
「それは私達だから言うのよ」
「大阪の人間だから?」
「というか大阪の普通にお店のすぐ外で立ってたこ焼き食べる様な」
 今言った様というのだ。
「気取らない人間だからよ」
「言うのね」
「そう、だから京都はね」
「そうした食べ方をしないのね」
「立場のある人はね」
「それでなのね」
「ええ、それに京都はね」
 母はこの街の人のことをさらに話した、彼女が思っているそれを。
「お金出さないと美味しいもの食べられないのよ」
「そうなの」
「安いとね」 
 それならというのだ。
「もうまずいってね」
「そうした街なの」
「美味しいお店は料亭とかで」
「私達が行けない様な」
「そうしたお店でね」
「一見さんお断わりで」
「高くてね」
 そうしてというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧