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ハッピークローバー

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第二十三話 安売りだったのでその九

「格式のあるお店よ」
「そうなのね、そうしたお店縁がないでしょうし」
 一華は自分から言った。
「それに行く気にね」
「ないのね」
「ないわ」
 実際にというのだ。
「私はね、たこ焼きやお好み焼きをね」
「お外で食べて」
「そしてね」 
 そうしてというのだ。
「美味しかったらね」
「それでいいのね」
「充分幸せよ、今だってね」
 ホルモンを食べて話した。
「大好きだから」
「それを食べて幸せね」
「京都の料亭に行かなくても」
 一見ではいけない様なそして高い店にというのだ。
「別にね」
「いいのね」
「全くね、しかし京都は好きになれないわね」
 一華はこの時心から思った。
「京都から来てる子とは別にだけれど」
「その雰囲気がよね」
「ええ、昔からの歴史があることは認めても」
「あのお高く止まった感じがっていうのね」
「好きになれないわ」
「それ多くの人が言うのよね」
 母も娘に答えた。
「実際に」
「そうなのね」
「関西の人はね」
「京都以外の人達は」
「そう言う人多いわ」
「京都のそうしたことが好きじゃないって」
「大阪もそうだしね」 
 自分達がいる地域を最初に挙げた。
「兵庫もで」
「奈良とか滋賀も」
「和歌山もね。あと三重県は東海でもね」
「関西って言う人多いわね」
「その三重でもどうもね」
 こちらでもというのだ。
「あまりね」
「京都は好かれてないのね」
「そうみたいよ」
「そうなのね、じゃあやっぱり合わないわ」
 一華は心から思った。
「京都はね、こうして格式がなくてもね」
「美味しいものは幾らでもあるでしょ」
「ええ、だからね」
 それでというのだ。
「こうしたのを食べて」
「あんたは幸せね」
「充分ね、あと私東京もね」
「合わないわね」
「自分でも思うわ」
「東京は絶対に合わないわね」
 母から見てもだった。
「あんたは」
「そうよね」
「もう何もかもがね」
 それこそというのだ。
「あんたはね」
「大阪人だしね、根っからの」
「大阪人にはどうしてもよ」
「東京は合わないわね」
「何もかもが違うから」
 それ故にというのだ。
「本当にね」
「東京は合わないわね」
「お母さんも何度か行ってるけれど」 
 東京にはというのだ。 
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