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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその三十八

「しかしだ」
「そこまで強いことではないですね」
「あの国は全体が発展していっている」
 一国だけでなくというのだ。
「そうした国だからな」
「それで、ですね」
「直接的かというと難しい」
「連合全体の中のことなので」
「包括的だな」
 直接的でなくそちらだというのだ。
「連合全体の中の一国のことだからな」
「そこは違いますね」
「直接的ではな、だからこの話は置いておく、ではな」
「はい、軍の計画ですね」
「それを話してもらいたい」
 こう言ってだ、そしてだった。
 ギルフォードはモンサルヴァートからエウロパ軍の現状を報告させた、そうしてから彼が帰ってからだった。
 首相であるカミュ、副首相であるアランソと会議の場を持った。その会議の場でこう言ったのだった。
「軍も順調にだ」
「はい、発展していっていますね」
 カミュはギルフォードにこう返した。
「有り難いことに」
「現状は満足すべきだ、だが」
「満足してもですね」
「それに油断せずにな」
「さらに手を打っていきますね」
「国土全体の防衛体制のさらなる強化にな」
 現状以上のというのだ。
「兵器の開発にだ」
「それにですね」
「規律の維持、訓練の徹底もだ」
 そうしたこともというのだ。
「進めていっているが」
「そちらもですね」
「順調でもだ」
「満足せず」
「さらに進めていく、時も来た」
「ではいよいよ」
「暗黒宙域突破の為にだ」
 このことをカミュにも言うのだった。
「船を出していく」
「艦隊を」
「軍艦は十隻単位だが」
 それでもというのだ。
「補給艦や工作艦を連れて行ってな」
「そしてですね」
「そうだ、中継基地を建設しながらだ」
 そのうえでというのだ。
「徐々にだ」
「先に進んでいきますね」
「あの暗黒宙域をな、それをだ」
「今からはじめますか」
「そうしていく、ようやく来た」
 その時がというのだ。
「これから多くの人手と資源、そして予算も使うが」
「それでもですね」
「行っていく、新天地を手に入れる為にな」
「ことを進めていきますね」
「そうしていく、今は一歩に過ぎないが」
 しかしと言うのだった。
「千里の道もという」
「その一歩からですね」
「その一歩を踏み出すことが最も難しいが」
 はじめることがというのだ、ギルフォードはカミュに対して今そのことを言っているのだ。
「それを踏み出す」
「左様ですね」
「予算はかなりのものになります」
 今度はアランソが言ってきた。 
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