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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその三十七

「君主になろうともな」
「王と皇帝は違う」
「王は言うなら一つの民族や部族の主だが」
「皇帝は文明ですね」
「だから無理だ、連合では建国の際に国家システムを選択出来る」
 そうした国家の仕組みなのだ。
「君主制か共和制かな」
「そして君主制を選んだ場合だ」
「その戴く君主を選ぶことも出来る」
「どの家か、そして」
「どういった種類の君主かな」
「王なり大公なりですね」
「そして皇帝だ」
 この位の者もというのだ。
「選ぶことが出来る、だが」
「皇帝は日本とエチオピアだけですね」
「それぞれの文明の主だが」
 日本文明、そしてアフリカ文明のだ。
「だがシャイターン主席が建国してもな」
「最早イスラム文明の主でない」
「だからだ」 
 それ故にというのだ。
「最早だ」
「皇帝にはなれない」
「王で止まる、しかしな」
「王であってもですね」
「彼は止まらない」
「自身の野望を求め続ける」
「国の主となり素晴らしき国を造るな」
 それをというのだ。
「目指す筈だ」
「そうなのですね」
「だからシャイターン主席はな」
「今度は連合で、ですね」
「その力を発揮する筈だ、しかし軍事的才能は」
 シャイターンの最大の武器の一つであるそれはというと。
「最早だ」
「それはですね」
「発揮されないだろう」
「連合の中に入ると」
「あの国は戦争はない」
「その中においては」
「各国間の衝突は絶えない」
 それはというのだ。
「中央政府と各国の対立もだ」
「常にありますね」
「しかし軍事的衝突はない、そうした対立はない」
 連合の中ではというのだ。
「海賊やテロリストの掃討はあるが」
「国家同士の戦争や内乱はないですね」
「そうだ、それでだ」
「あの国に入れば」
「彼は軍事的才能は発揮しない」
 その機会自体が存在しなくなるというのだ。
「絶対にな、しかし」
「それでもですか」
「他の才能は発揮出来る」
「政治家としてのそれを」
「そして国家元首としてのな」
 それもというのだ。
「発揮してだ」
「連合ではですね」
「そうしていく筈だ」
「そうですか、では」
「そのことは連合、我々の敵国のことになるが」
 ギルフォードはここでまた言ったのだった。
「直接かというとな」
「違いますね」
「連合の中の国が一つ出来てそれが発展するならな」
「敵国のことなので」
「脅威ではあるが」
 それにはなるというのだ。 
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