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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその二十二

「陰に隠れての」
「協力だな」
「そちらですね」
「だから私もだ」
「今表立ってと言われたのですね」
「そうだ」
 そうなるというのだ。
「実際にな」
「やはりそうですね」
「マウリアにとってもな」
「連合のさらなる強大化はですね」
「望ましくない、その発展を止められないなら」
 それならというのだ。
「相手国をより強くさせる」
「そうしてぶつけるのですね」
「それがあの国の今の戦略だ」
「そしてその戦略に従い」
「国益を狙っている」
 マウリアはマウリアでというのだ。
「そうなっている、それでだ」
「マウリアのその考えをですね」
「我々も利用してだ」
「連合への工作を仕掛けていきますね」
「そうする、我々が連合に入りにくいが」
「マウリア人はですね」
「入られる、密入国のルートもあるしな」
 マウリア独自のだ。
「彼等に協力してもらう方がだ」
「有り難いですね」
「特にアウトカースト層が多い」 
 連合に出入りしているマウリアの者はというのだ。
「彼等にも協力してもらおう」
「アウトカースト層ですか」
「そうだ、マウリアのな」
「前から考えていましたが」
 アウトカースト層と聞いてだ、モンサルヴァートは考える顔になってだ。そのうえでギルフォードに対して話した。
「アウトカースト層というのは」
「エウロパにはないな」
「無論連合にも」
「そしてサハラにもな」
「人でありつつですね」
 生物学的にはそうでもというのだ。
「その権利はですね」
「人とはな」
「されていないのですね」
「ヒンズー教の戒律ではな」
「それがアウトカースト層ですね」
「そうだ、私もおかしなことだと思う」
 ギルフォードも述べた。
「貴族と平民があれどな」
「エウロパではですね」
「人間だ」
 階級、それはあるがだ。
「貴族も平民もな」
「全て人間ですね」
「だからエウロパでもだ」
「全国民の人権を保証していますね」
 階級があれどもだ。
「それは絶対ですね」
「誰もが幸福に生きる権利がある」
「左様ですね」
「その筈だ、しかし」
「マウリアでは違いますね」
「ヒンズー教ではだ」
 この宗教ではというのだ。
「日本にもあるという穢れ思想もあってな」
「穢れた仕事を行う階級として」
「そうした者達がいてな」
「人間として扱われていない」
「ジャバル副主席はその出身でだ」
「そして人間らしく生きる為に」
「連合各国、そしてエウロパやサハラにまでな」
 マウリア以外の国にというのだ。 
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