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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその二十三

「不法でも出国してだ」
「人間らしく生きようとしていますか」
「エウロパ各国にもマハラジャタウンがあるが」
 オリンポス星系にも存在している。
「彼等もだ」
「アウトカースト層が多いとか」
「無論彼等も実は密入国をしていてだ」
「不法滞在をしていますね」
「そうした者達だ、だが政府が取り締まっても」
 これは連合も同じ状況である、不法入国者は文字通り『不法』だ、つまり犯罪行為を行っているのだ。
「中々な」
「取り締まりきれないですね」
「それを行った政権もあったが」
「難しいですね」
「そうだ、私も考えたことがあるが」
「されないですか」
「行うにはな」
 どうにもというのだ。
「こうしたことも考えているからな」
「アウトカースト層に連合への工作員になってもらう」
「これも考えているからだ」
 それ故にというのだ。
「だからな」
「今はですね」
「それを行わずな」
「彼等に工作員になってもらい」
「連合の情報を貰おう」
「そして必要なら工作もですね」
「行ってもらう、だが彼等の多くは訓練されていない」
 工作員のそれを受けていないというのだ。
「軍人でもない」
「ならですね」
「素人だ」
 そう言っていいというのだ。
「そして連合中枢にもな」
「入られないですね」
「容易にはな」
「限りがありますね」
「アウトカースト層はな、しかしな」
「それでもですね」
「彼等に働いてもらい、そしてマウリア高官もな」
 彼等もというのだ。
「是非な」
「スパイにですね」
「なってもらってだ」
 そのうえでというのだ。
「働いてもらうか」
「マウリア政府高官にも」
「文官武官問わずな」
「これはという人材には」
「連合に出入りしてくれるならな」
「それならですか」
「連合の情報や技術を仕入れてもらってだ」
 そうしてというのだ。
「我々にもたらしてもらう」
「マウリア政府にもですか」
「そうだ、軍人なら将官クラスでもな」
 所謂閣下と呼ばれる立場の者達にもというのだ。
「我々のスパイになってもらってだ」
「情報を貰いますか」
「そうしたい、そしてその際だが」
 ギルフォードはさらに話した。
「マウリア政府はどうするかだな」
「流石に政府高官となるとですね」
「連合に露見するとな」
「外交問題になるので」
「それはさせないと思うがな」
 政府高官を連合へのスパイに仕立てることはというのだ。
「流石に」
「そうですね、しかし」
 そのギルフォードにだ、モンサルヴァートは確かな声で答えた。 
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