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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその二十

「連合と対そう」
「そうしますね」
「是非な、しかしサハラで連合がどれだけ本気か」
「それはわからないですね」
「マウリアでは本気な様だが」
「連合はわからないですね」
「そうだ、だが相手が本気でなくともな」
 マウリアの様でなくともというのだ。
「我々は相手が動く以前にな」
「それよりもですね」
「マウリアを第一に置くが」
「サハラにもですね」
「工作網、諜報網網を築き」
 そしてというのだ。
「そこからも連合の情報を集められる様にしてな」
「連合への工作が可能な様にも」
「しておこう」
 こう言ったのだった。
「マウリアを優先させつつも」
「そうして」
「あの国にもだ、サハラとか友好関係を築くが」
「それでもですね」
「外交を行う」
 それをとも言うのだった。
「外交とはな」
「友好関係であろうとも」
「相手に気付かれぬ様に利用する」
「時には気付かれてもですね」
「利用するものだ」
 それが外交だというのだ。
「そしてそれをだ」
「サハラでも行いますね」
「マウリアでもな」
「手を握り合いつつも」
「裏ではな」
「利用しますね」
「その国に工作網を築いてな、だからだ」
 サハラでもというのだ。
「そうしていく」
「そういうことですね」
「もっともアッディーン大統領は政治家としても優れている」
「だから我々のことも気付きますね」
「おそらくな、しかしな」
「気付かれてもですね」
「こちらは白を切ってだ」 
 していない、その振りをしてというのだ。
「ことを進めることもだ」
「外交なので」
「そうもしていく、いいな」
「わかりました」
 モンサルヴァートも答えた、敬礼を以て。
「そのうえで」
「それではな、サハラの者にも協力者を置きたい」
「はい、サハラを裏切らない」
「連合に対する」
「それならそちらの工作員を作りやすいですね」
「マウリアにおいてもそうだしな」
「敵国のスパイになり」
 ここでモンサルヴァートはあらためて言った。
「自国に何かをすることは」
「抵抗があるな」
「どうしても」
「この二重スパイは何と言われるか」
「売国奴だ」
 モンサルヴァートはこの世で最も否定される存在の一つを名前に出した、このことはこの時代のどの国でも同じだ。
「それになる」
「そうなるには」
「そもそも良心や羞恥心がないかな」
「祖国に忠誠心がないか」
「最初からな」
「相手国にそれがあるか」
「そうでもないとだ」
 それこそというのだ。 
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