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星河の覇皇

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第八十一部第一章 全戦線でその十七

「そうなったからな」
「だからですね」
「もうサハラとはだ」
「何もですね」
「衝突するつもりはないしだ」
 それにというのだ。
「連合以外の敵もな」
「抱えるつもりもないですね」
「敵は少ないに限る」
 国家戦略、それを考えればというのだ。
「どうしてもな」
「左様ですね」
「だからだ」
 それでというのだ。
「これからはだ」
「サハラとは友好的にですか」
「最初は無理でもな」
「徐々にですね」
「友好的にしてだ」
 そうした態度を取ってというのだ。
「やがてはだ」
「友好関係となりますか」
「そうしていく、サハラも敵はな」
「少ない方がいいですね」
「建国当初で多忙な筈だ」
 とかくやるべきことが多い、創業の時に地固めをせずして国家が成り立っていける筈がないのだ。それはどの国も同じだ。
「ならばな」
「サハラにしてもですね」
「今我々と対立していいか」
「答えは一つですね」
「そうだ、そのサハラとだ」 
 エウロパとしてはというのだ。
「友好関係になっていく」
「そうなってですね」
「そしてだ」
「エウロパの敵は絞る」
「連合だけにな」
 そしてと言うのだった。
「そうしていく」
「それが閣下の戦略ですね」
「人口二千億の敵なぞだ」
「エウロパとしては」
「抱えてはならない」
 絶対にと言うのだった。
「只でさえ連合が敵なのだからな」
「これ以上の敵を抱えると」
「国防もそれだけだ」
「負担が大きくなるので」
「それでだ」
「サハラとはな」
 アッディ―ンが皇帝となるこの国とはというのだ。
「手を結んでいく」
「そうしますね」
「あの国とはな、しかし皇帝とはな」
 ギルフォードは今度はこの存在について言及した。
「サハラを統一した者はそうなることが決まっていたが」
「皇帝になるとは」
「大きいな」
「皇帝は一つの文明の統治者ですね」
「サハラだとイスラムだな」
「左様ですね」
「一つの世界の代表でもある」
 それが皇帝だというのだ。
「エウロパだとローマ皇帝だな」
「ローマ帝国の、ですね」
「そもそもEUもだ」
 今のエウロパの原型だった、そもそもがEECつまり欧州経済共同体だった。それがEC日本語で欧州共同体となりマーストリヒト条約によりEU即ち欧州連合となったのだ。そうした歴史があったのだ。 
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