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星河の覇皇

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第八十部第五章 秘密兵器その二十三

「どうしても国力のある方が有利になります」
「その通りですね」
「消耗戦に陥り」
 そしてというのだ。
「劣勢の国が敗れたことはです」
「歴史に幾らでもありますね」
「サハラでもです」
 オムダーマンとティムールがあるこの地域でもというのだ、千年の戦乱の中で数多くの国歌が興亡を繰り返してきた。
「そうした事例は多いですね」
「確かに」
「消耗戦になれば」
「国力が第一ですね」
「それが最大の勝因になります」
「ですからそうなった場合は」
 オムダーマンとティムールが消耗戦に入っていればというのだ。
「オムダーマンがですね」
「統一していたでしょう」
「勝利を収めて」
「はい、ですが」 
 八条は劉にさらに話した。
「それはもうです」
「なくなりましたか」
「今回のオムダーマンの勝利から」
 さらにと言うのだった。
「オムダーマンは全戦線で攻勢に出るでしょう」
「あの艦艇を使用して」
「シャイターン主席が不在の間に」
 彼等にとって絶好の好機を逃さずにというのだ。
「全面的に攻勢を仕掛け」
「そのうえで」
「ティムール軍の戦線を突破し」 
 そしてというのだ。
「戦争を決定します」
「これからですね」
「僅かな間ですが」
 シャイターンが戦場にいない、その時はというのだ。
「ですが」
「その機会を逃さずに」
「果敢に攻撃を仕掛け」
 そうしてというのだ。
「確実にです」
「オムダーマンは勝敗を決する」
「そうなるでしょう」
「しかし」
 今度はバールが言ってきた。
「シャイターン主席もです」
「そのことがですね」
「わかっておられるかと」
「はい、あの方は愚かではないです」
「ならですね」
「動かれるでしょう」
「それもすぐに」
「そうです」
「なら今回の会戦では」
 バールはさらに言った。
「何故戦場に来なかったか」
「電送機を使用して」
「そうしなかった理由は」
「そのことですか」
「シャイターン主席の性格からして」
「如何に政務が多忙でも」
「オムダーマンとの戦いに破れれば」
 そうなればというのだ。
「サハラを統一出来ないです」
「そのことを誰よりもわかっていますね」
「だからこそです」
「戦場にですね」
「電送機があるのですから」
 瞬時に移動出来るそれがというのだ。 
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