星河の覇皇
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第八十部第五章 秘密兵器その二
オムダーマン軍はビームとミサイルの一斉射撃を行った、するとティムール軍の艦艇から直撃を受けて爆発と共に光の中に多くの命と共に消えていく艦艇が出てきた。
それはオムダーマン軍も同じだった、再び激しい死闘がはじまった。この状況にティムール軍を率いるアブーとフラームもだった。
それぞれが率いる軍の指揮を執りつつモニター越しに話をしていた。
「兄上、はじまりましたが」
「敵の攻撃は激しい」
「はい」
アブーはフラームに応えた。
「遂に」
「どう攻めるかだ」
「このことですが」
生粋の軍人であるアブーはこう述べた。
「このままではです」
「正面から攻めるとな」
「かなりの損害が出ます」
「今の時点でもだ」
開戦して間もなくだがというのだ。
「かなりのものになっているな」
「こちらも損害を与えていますが」
「そうだな」
それでもとだ、フラームは言うのだった。
「このままだとな」
「攻撃を続けていても」
「損害が増えていってだ」
そうなってというのだ。
「多くの犠牲者が出てな」
「戦力も減っていきますね」
「そうなる、それでだ」
だからだというのだ。
「悠長に戦ってはいられない、しかし」
「はい、我々の防御は完璧です」
アブーは強い声で答えた。
「まさに」
「そうだ、だからな」
「ここはですね」
「守り抜くことだ」
「敵が戦闘を止めるまで」
「そうすることだ、決してだ」
フラームは弟に強い声で返した。
「攻撃には出るな」
「防御に徹することですね」
「守りきってだ」
「そうしてですね」
「最後の最後までな」
「戦場にいることですね」
「戦場に立っていればいい」
それこそというのだ。
「だからだ」
「ここはですね」
「絶対に攻撃になぞ出ないでだ」
何があろうともというのだ。
「幾ら損害が出てもな」
「それでもですね」
「守ってだ」
そしてというのだ。
「ここにいることだ」
「それしかないですね」
「アッディーン大統領は強い」
フラームは言い切った、これまでの戦闘で彼もよくわかったのだ。戦場にいるからこそわかることであるのだ。
だからだ、こういうのだった。
「何があってもだ」
「攻めずに」
「戦うぞ」
「それでは」
アブーも頷いた、そしてだった。
二人共だった、それぞれ率いている軍勢の守りを徹底させてだった。彼等は方陣を囲んでそのうえでだった。
戦場に残っていた、そのティムール軍に対してだった。
オムダーマン軍は攻撃を続ける、だが。
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