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星河の覇皇

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第八十部第四章 万能の天才その五十四

「それはな」
「全く以てその通りです」
「若し閣下がその様に決断されなければ」
「主席が動かれてです」
「その分大義が働きませんでした」
「我々が動くと我々から見れば革命だが」 
 自分達の権利と地位を手に入れる為のそれだというのだ。
「他のマウリアの多くの者から見ればだ」
「出過ぎた真似です」
「アウトカースト層如きが何を言うかと」
「その様に思われてです」
「今の様な評価ではありません」
「評価はいいに越したことはない」
 この現実もだ、ジャバルは述べた。
「どうしても」
「いいならいいで、ですね」
「それがベストですね」
「同じことをするにしても」
「世間の評価がいいならば構わないですね」
「そうだ、同じことをしてもだ」
 例えそれでもというのだ。
「政治はそうしたものだ、評価も重要だ」
「それが選挙にも影響しますし」
「当選しなければ何も出来ません」
 議員になれない、それではどうにもならないというのだ。これは民主政治においては何よりも重要なことだ。
「政治家はやはり評価です」
「人気と言ってもいいですが」
「私も評価が低くなればだ」
 その時はというと。
「落選する」
「それが政治ですね」
「落選した政治家は只の人です」
「何も出来ません」
「それでは意味がありません」
「そうだ、どれだけ有能な政治家も落選しては何もならない」
 意味がないというのだ。
「どうしてもな、だからだ」
「この場合もですね」
「あちらから言われたので」
「幸いでしたね」
「渡りに舟でした」
「文字通りにな、そして私はアウトカースト層の権利拡大を進めていっている」
 マウリア国家副主席としてだ。
「そうして来ている、その中でだ」
「軍にもですね」
「これからは人を入れていきますね」
「軍を拡大しつつ」
「そうしていかれますね」
「これからはな、そしてカースト層の反発はだ」
 今も起こっているこのことについてはというと。
「これまで通りだ」
「人権や平等という言葉を以てですね」
「内外の良識を味方につけて」
「そのうえで、ですね」
「そうだ、囲んでだ」
 マウリアだけでなく連合やエウロパ等の世論からも攻撃させてというのだ、即ち国際世論を味方につけるということだ。
「そうしてだ」
「攻撃しますね」
「良識を以て」
「そうしますね」
「人にはある習性がある」
 極めて冷静にだ、ジャバルは述べた。
「悪よりも善だ」
「善につきたがりますね」
「正義の方に」
「そしてその下で、ですね」
「動きたがりますね」
「そうだ、人間はだ」
 まさにというのだ。
「悪と思われることはだ」
「避けますね」
「どうしても」
「そのことはですね」
「人には良心がある」
 それがというのだ。 
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