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星河の覇皇

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第八十部第四章 万能の天才その五十二

「何としても完全に掌握してだ」
「アウトカースト層の地位の確立に役立てる」
「そうされますね」
「これからは」
「私が国家主席になればな」
 その時はというのだ。
「そうする、まだ先の話だがな」
「それでもですね」
「その準備を今からされていますね」
「エウロパ議員とのお話もまた」
「その下準備の学問としてだ」
 それでというのだ。
「学んできているが」
「学びそうしてですね」
「知識を備え」
「その知識を活用されていきますね」
「そうしていく」
 まさにというのだ。
「私は学問が目的があって学ぶ」
「楽しみであると共に」
「そこからもですね」
「学んで」
「そのうえで」
「活かしていく」
 その学問をというのだ、学んだそれを。そしてだった。
 ジャバルは今食べているピーチメルバについてこうも言った。
「私はエウロパの料理が好きだが」
「それでもですね」
「中々ですね」
「格式のあるレストランには入られませんね」
「我々は」
「そうだ、アウトカースト層はだ」
 カーストに存在しないとされるマウリア社会の事実上の最下層の者達はというのだ。
「格式のある店はな」
「他のカーストの者達よりもです」
「それも遥かにですね」
「断られてきました」
「店の前を通ることすら忌まれていました」
「エウロパでは貴族用と平民用の店がある」
 例えばバーは貴族が入る場所でパブは平民が入る場所とされている、これはレストランや喫茶店でも同じだ。
「だがマウリア程はな」
「決められていないですね」
「この国程は」
「とても」
「連合ではない」
 そうした区分自体がというのだ。
「しかしだ」
「ここはマウリアです」
「アウトカースト層は格式のあるレストランには入られません」
「今もそうです」
「無論我々ですら」
「私はマウリアの国家副主席になった」
 この国のナンバーツーにというのだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「アウトカースト層なので」
「だからですね」
「如何に金があり豪奢な服を着て身を清めてもだ」 
 そうしたことをしてもというのだ。
「それでもだ」
「アウトカースト層なので」
「だからですね」
「それだけで駄目ですね」
「格式のあるお店からは断られますね」
「そうだ」
 そうなっているのが現実だ、とかくマウリアでのアウトカースト層は区別されているのだ。
「差別でなくな」
「そうです、区別です」
「差別とは違います」
「差別はまだ人間同士で行うものでしょう」
「しかし区別は違います」
「カースト層とアウトカースト層の間には線があります」
「明らかなそれが」
 目には見えない、だがそれがあると周りも話した。 
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