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星河の覇皇

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第八十部第四章 万能の天才その五十

「しかしだ」
「彼等を軍に移籍させ」
「そうしてですね」
「軍隊にもアウトカースト層の力を及ばせる」
「そうしていかれますね」
「そうだ、アメリカ軍では黒人は入隊出来なかった」
 人種の壁、それが存在したからだ。
「黒人の騎兵隊があったが二次大戦の頃は違っていた」
「それが変わりましたが」
「それから黒人も軍隊で多くなりましたね」
「普通になりましたね」
「士官になる者も多かった」
 当然将官になった者も多く出て現在に至る、連合ではこれもまた人種の偏見の壁を打ち破った素晴らしいことの一つとされている。
「そうなっているしエウロパ軍でもな」
「平民も普通にいます」
「それも高級士官で」
「エウロパ元帥すら出しています」
 当然軍務大臣もだ、軍のトップである。
「あちらは平民出身の総統も多いですし」
「何でもないですね」
「あらゆる階級の者がだ」
 ジャバルは今は切実な声になっていた、感情は出来るだけ出さない様にしているがそれでも出ていた。
「あらゆる場所で活躍出来るべきだな」
「職業分化はあれども」
「それぞれの職業は守らなくてはならないにしても」
「それでもですね」
「階級はなくし」
「あらゆるところにいていいですね」
「だから軍隊もだ」
 この組織もというのだ。
「是非だ」
「アウトカースト層もですね」
「進出すべきですね」
「そうであるべきだからだ」
 それ故にというのだ。
「私もだ」
「これからですね」
「軍にアウトカースト層を入隊させていく」
「そうしていきますね」
「特に国家主席となられると」
「そうだ、その時はだ」
 まさにというのだ。
「アウトカースト層の軍人を増やす、しかもだ」
「士官にもですね」
「登用されますね」
「将官でも」
「士官がいることは大きい」
 ジャバルはこのこともわかっていた、ピーチメルバを食べつつそのうえでこんなことを言ったのだった。
「特に将官ともなるとな」
「連合では違いますが」
「あちらはそれこそ誰でも士官になれます」
「下士官候補生以上から入隊すれば特になりやすい」
「左様ですね」
「あの国は軍の地位が低い」
 ジャバルはこのことは実際に連合に行ってわかっている。
「それもかなりな」
「他に豊職業が多く」
「階級もない社会なので」
「それで、ですね」
「他の職業で身を立てる人が多く」
「その地位は低いですね」
「あの国はな、しかしだ」
 それでもとだ、ジャバルはさらに言った。 
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