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星河の覇皇

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第八十部第四章 万能の天才その三十八

「つけて下さい、出来れば宿泊先も」
「そちらもか」
「用心されるべきです」
「まさに要人警護だな」
「そのものです」
 運転手はマールボロに否定せずに答えた。
「連合のことを考えますと」
「用心に用心を重ねてか」
「そうです、ですから私もいます」
「そうか、ではな」
「これは実は外相からもお話がありまして」
「マウリアに来たエウロパの人物はか」
「公人ならです」
 つまり中央政府議員がマウリアに来ればというのだ。
「身辺警護を徹底的にです」
「行えとか」
「達が来ていますので」
「外相直々にか」
「宜しくお願いします」
「ではな」 
 マールボロも応えた。
「その様にな」
「お店も中でも」
「わかった、確かに連合はな」
 この国はとだ、マールボロは述べた。まだ車の中にいてそのうえで運転手と真剣な顔で話をしているのだ。
「必要とあればな」
「暗殺もですね」
「してくるな」
「今は工作機関の構築に熱心ですが」
 そちらに集中しているがというのだ。
「それでもです」
「余力でもだな」
「刺客を送る位はするでしょうから」
「ではな」
「お傍にいます」
「では店内に入ろう」
 今からとだ、ここでマールボロはこう言った。
「そしてな」
「お食事を楽しまれますね」
「ワインもな」
 こちらもというのだ。
「楽しむ」
「議員はワインがお好きですか」
「ウイスキーも飲むがな」
「そうなのですか」
「そちらはスコッチだ」
「イギリス伝統のですね」
「そうだ、あれも飲む」
 スコッチ、それもというのだ。
「しかしだ」
「ワインもですか」
「特に赤がな」
「では赤をですね」
「楽しもう、それでこの店のことを聞いたが」
「メグレのことを」
「やはり店の格はか」
 それのこともだ、マールボロは聞いた。エウロパでは店の格は入る者の階級が関係するので極めて重要なのだ。貴族それも高位の爵位を持つ家の当主であるマールボロが入らねばならない店はかなりの格上なのだ。
「高いか」
「はい、マウリアでの利用者の方もです」
「高位のカーストか」
「それもかなりの」
 細かく分けて三千はあるそれのというのだ。
「そうなっていますので」
「そうか、ではな」
「それではですね」
「これからだ」
 まさにと言うのだった。 
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