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第十四話 話をしてその一

               第十四話  話をして
 達川は一華と向かい側の席に着いた、そのうえで彼女に声をかけた。
「ちょっといい?」
「うん、私もね」
 一華は周りを目だけを動かして見つつ彼に応えた。
「そろそろね」
「話したいと思っていたんだ」
「そうだったから」
 それでというのだ。
「私から話しかけようってね」
「思っていたんだ」
「それで達川君だったわね」
「そうだよ、宜しくね」
「うん、それで達川君も八条学園の中等部で」
「その時はお互い知らなかったね」
「ええ、ただこうしてね」 
 今はとだ、一華は彼に話した。
「こうしてね」
「会ってね」
「お話してるわね」
「そうだね」
「同じ中学でもね」
「生徒多いとお互い知らないよね」
「そうなるわね、それでだけれど」
 一華は彼に自分から問うた。
「達川君趣味は」
「ええと、野球に漫画とゲームにポーカーに」
「ポーカーするの」
「トランプ好きで」 
 それでというのだ。
「よくするんだ」
「そうなの」
「あと野球は部活もそうだし」
「へえ、野球部なの」
「ピッチャーでさ」
「そうなの、ピッチャーなの」
「ああ、ただまだ一年だから」
 即ち入部したばかりでというのだ。
「補欠だよ、毎日練習ばかりだよ」
「そうなのね」
「うちの学園は皆で雑用するから」
 それでというのだ。
「どの部活も」
「そうそう、私商業科のバレー部だけれど」 
 一華は達川にそれならと応えた。
「そこでもね」
「雑用はだよね」
「一年生だけがしないで」
「皆でするよね」
「後輩が全部やるとか」
 掃除や後片付けをというのだ。
「そうしたことはないのよね」
「そうだよね、一年生も先輩も皆でやって」
 二年生も三年生もと言うのだ、そして顧問の先生やコーチもだ。
「すぐに終わらせるんだよね」
「何でも皆でやればすぐ終わる」
「そうした考えでね」
「やってるから」
「雑用は忙しくはないけれど」
 それでもというのだ。 
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