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ハッピークローバー

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第十三話 合コンのはじまりその十四

「俺だってな」
「そうだろ、だったらな」
「話してみろっていうんだな」
「ああ」
 是非にというのだった。
「そうしてみろよ」
「そうしていいんだな」
「だからそうした場所だろ」
 合コンはというのだ。
「それだったらな」
「それならか」
「話さないとな」
 そうしなければというのだ。
「駄目だろ」
「だからか」
「引っ込み思案になるならな」
 成海は達川に笑ってこうも言った。
「もう最初からだろ」
「合コンには来ないことか」
「あれだよ、当たって砕けろ」
 成海は笑ってこうも言った。
「そうでないとな」
「駄目か」
「別に何があってもここの面子笑わないだろ」
「それはな」
「人の失恋笑ったり言う奴なんてな」
「屑か」
「屑っていうか思いやりがないな」
 そうだというのだ。
「そんな奴もな」
「ここにはいないか」
「だからな」
「一華ちゃんとお話してね」
 かな恵も言ってきた。
「そうしてね」
「ああ、それじゃあな」
「今からね」
「話させてもらうな」
「うん、こうした時はね」
 かな恵は梅酒を手に言った、見ればその酒はかなり減っていて実際にここにいる面子の中で最も飲んでいる。
「人っていう文字を掌に書いて」
「飲み込むんだな」
「そうしたらいいから」
 だからだというのだ。
「それでね」
「これからか」
「うん、どうしても勇気が出ないなら」
 それならというのだ。
「そうしてね」
「話せばいいか」
「それでどう?」
「そこまでしないよ、じゃあ今からな」
 達川はかな恵そして成海に笑顔で話した。
「あの娘と話すな」
「そうしようね」
「今からしろよ」
「そうするな」 
 こう言ってだった。
 彼は一華のところに行った、そうして彼女と向かい合って話をはじめた。


第十三話   完


                  2021・11・8 
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