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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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第48話

 
前書き
大分ドラゴンボール超の未来ブウ編とは違うけど未来悟飯が生きてるからってことでお願いします。 

 
偽物の仲間と闘う悟飯とトランクス。

しかし、心なしか2人の動きは鈍かった。

当然だろう、悟飯にとっては過去の存在とは言え悟空は父で悟林は姉、ピッコロは師匠であり、そして過去の悟飯を弟のように思っていたのだ。

トランクスも過去で多少は分かり合えた父親のベジータと師匠である悟林はとても闘いにくい存在だった。

クリリンの偽物が死角から気円斬を投擲してきたが、キビトが神通力で逸らすと気功波を放ってクリリンの偽物を倒す。

界王神も天津飯や餃子、ヤムチャの3人を同時に相手にしながらも上手く攻撃を受け流しながら神通力で吹き飛ばしたり動きを止めたりして闘ってくれているが、やはりと言うべきか悟空、悟林、悟飯、ベジータ、ピッコロ、セル、17号、18号、フリーザは恐ろしく強くなっていた。

バビディの魔術によってかなりパワーアップしており、セルゲームではなれなかったはずの超サイヤ人2に悟空とベジータが変身でき、過去の悟飯も悟林も今の悟飯とトランクスでもすぐには倒せない程にまでパワーアップしていた。

セルも相当にパワーアップしていたが、17号と18号、フリーザのパワーアップが凄まじい。

秘められた力を解放したと言っていたが、この3人は予想外だった。

フリーザはまだ分かるとして何故人造人間の2人までここまでのパワーアップをしたのだろうか?

元々この2人は普通の地球人だったが、改造されて人造人間になった。

改造されたことで潜在能力が強化されていたのか、元々地球人としては飛び抜けた才能の持ち主だったのか…。

とにかく一番弱いはずのピッコロでさえ、悟飯とトランクスの超サイヤ人2での攻撃を耐えきる程になっており、少しずつ追い込まれていた。

「2人共、加勢します!」

天津飯達を倒した界王神とキビトが神通力を駆使してサポートしてくれた。

特に界王神とキビトが協力した神通力による金縛りはセルでさえも動きを止めてしまう程に協力である。

「「魔閃光殺砲っ!」」

この中で最も厄介なセルを仕留めるために悟飯が魔貫光殺砲を、トランクスが魔閃光を放って久しぶりに放った合体技でセルを粉砕した。

破片が散らばり、即座に気の力で消滅させると今度は過去の双子が襲い掛かってくる。

「ひゃはは!凄い勢いでエネルギーが溜まってくよ!これなら後少しだ!後少しで魔人ブウが復活するぞ~っ!!」

「くっ!」

何とか敵の攻撃を防いでいた悟飯だが、それを聞いて焦りを覚える。

「界王神様!どうせフルパワーになってしまうのなら!今のうちにあの玉を魔人ごと消滅させましょう!」

「…確かに…フルパワーで復活させてしまうよりはマシです!やりましょう!!」

「一か八かですな…!」

「みんな、目を閉じて!太陽拳!!」

「うあ…っ!?目がっ!目がぁ~っ!!」

トランクスの言葉に界王神が同意し、悟飯が太陽拳を使うと偽物達とバビディの視界が潰された。

今のうちに悟飯はかめはめ波の体勢を取り、トランクスは両手で印を結んで構え、界王神とキビトも両手に気を溜めた。

「かめはめ波ーーーっ!!」

「消えてなくなれっ!!」

「「はあーーーっ!!」」

悟飯の超かめはめ波、トランクスのバーニングアタック、界王神とキビトのフルパワーエネルギー波がバビディを消し飛ばし、玉に直撃する寸前に魔人ブウの復活ゲージがMAXとなる。

大爆発が起きてその余波を受けた悟飯達も吹き飛んだが、しばらくして煙が晴れると、玉は跡形もなく消滅し、バビディが死んだためか偽物達が消えている。

「玉が消えている…魔人ブウは…」

「いません…何と言う幸運!流石の魔人ブウも悟飯さんとトランクスさんの超パワーには耐えられなかったのです!これで宇宙は平和になります…!2人共、ありがとうございました……?」

魔人ブウが出現しないことに界王神は歓喜し、協力してくれた悟飯とトランクスに感謝するが、2人の表情が強張っていることに気付いた。

「どうしたのだ?」

「気が…凄まじい気が…どんどん膨れ上がっていく…!」

「界王神様!キビトさん!上です!!」

キビトが2人に尋ねると悟飯は凄まじい気を感じてそれが膨れ上がっていると言い、トランクスが上を見上げるとそこには桃色の太った人物が浮かんでいた。

「ま、魔人ブウ…!」

「あれが魔人ブウですか…」

「もっと恐ろしい姿をした怪物かと…」

「見た目はともかく本当に奴は恐ろしい怪物なのです…!もう駄目です…逃げられない…」

誰もが魔人ブウの復活に驚くが、ブウを見たことがある界王神は絶望してしまう。

「…確かに凄まじい気の持ち主ではありますが…どうしようもないって程でもなさそうですよ…」

「そ、それは本当ですかトランクスさん!?」

「今の俺とトランクスでも2人がかりなら何とかなりそうです。離れて下さい!」

疲弊した体に気を入れてブウと相対する悟飯とトランクス。

「何だお前達?ブウと遊びたいのか?」

「行くぞ魔人ブウ!」

悟飯とトランクスが今出せる全力でブウに挑む。

ブウがピッコロのように腕を伸ばして殴り掛かってくるが、それをかわしながら距離を詰めて2人同時に攻撃を仕掛ける。

界王神は2人に滅多打ちにされているブウを見てもしかしたらと思ったのだが、2人の気弾を受けてもすぐ再生したブウは一気に気を解放してトランクスの顔面に裏拳を、悟飯の腹に蹴りを入れて吹き飛ばす。

「今のちょ~っと痛かったぞ!消えちゃえっ!!」

両手を上空に翳すと気弾が発射されて雨のように降り注ぐ。

悟飯とトランクスは界王神とキビトを守るためにバリアを張ったものの、完全に防ぎきれずに何発か受けてしまう。

「ぐっ…!これが魔人ブウの力なのか…!」

「くそ…!俺達が負けたら地球は…宇宙は…!」

「こ…こんなことなら…あなた達のように人間でありながらこれ程まで私の力を大きく超えていることが分かっていたなら…あ…あの方法もあったのに…」

「か、界王神様…まさか、あの剣を!?」

「あの剣…?魔人ブウを倒す方法があるんですか!?」

「…いえ…もう遅い…私達はもう魔人ブウから逃げられません…我々全員生きてはいられないでしょう」

トランクスの問いに界王神は諦めたように言う。

ブウがこちらに気弾を放ってきたのでかわしながら悟飯が尋ねる。

「界王神様、逃げられれば何とか手はあるんですね?」

「え…?ええ…しかし、魔人ブウからは…」

「大丈夫です…みんな目を閉じて!魔人ブウ!!」

悟飯が叫ぶとブウの視線が向けられ、悟飯は再び太陽拳を使ってブウの視界を潰す。

「界王神様!」

「は、はい!キビト!我々を界王神界に!!」

「わ、分かりました…カイカイ!!」

悟飯が作ってくれたチャンスを無駄にしないために界王神とキビトは悟飯達を連れて界王神界へと瞬間移動した。

視覚が回復したブウは周囲を見渡すと悟飯達がいないことに気付いて大爆発を起こして子供のように暴れ回った。

そして界王神界に着くと、キビトが全員を回復してくれた。

「すみませんキビトさん」

「いや、これから魔人ブウと闘うにはお前達の力が必要だ」

「界王神様、ブウを倒す方法があるんですか?」

「はい、悟飯さんかトランクスさんのどちらかが、界王神界に伝わる伝説の剣、ゼットソードを使って欲しいんです。あなた達ならあの剣を抜けるはず」

「「ゼットソード?」」

「ゼットソードとはこの聖域、界王神界に伝わる伝説の剣であり、抜くことが出来れば凄まじいパワーを得ると伝えられている…だが、今まで何人もの界王神様が挑戦して抜けなかった物だが、お前達の想像を遥かに超えたパワーの持ち主ならば或いは…」

歴代の界王神ですら抜くことが出来なかった剣だが、悟飯とトランクスならば抜くことが出来るのではないかとキビトも思っていた。

「取り敢えず言ってみましょう」

界王神に促され、4人はゼットソードのある場所に移動する。

「今のお前達のボロボロの服装はこの聖域に相応しくないのでな、悪いが相応の服装をしてもらうぞ」

魔法でトランクスと悟飯の服を界王神の付き人の服装に変え、そしてゼットソードのある場所に到着する。

「これがゼットソードです。2人のうちどちらかが抜くことが出来れば魔人ブウに対抗出来るはずです」

「剣か…ならトランクスが抜くべきじゃないのか?」

悟飯も一応剣を使っていた時期があったが、それはかなり幼い頃であり、正直武器と言うよりも調理用具に近い扱い方だったので実戦で鍛えられた剣術を扱うトランクスの方が適任だと思う。

「いえ、抜けば凄まじいパワーを与えられるんでしょう?なら、ここは潜在能力が高い悟飯さんが抜くべきだと思います」

かつてのセルとの闘いで過去の悟飯が超サイヤ人2に変身した姿は見ていないが、過去の仲間から底無しの強さと称される程に悟飯の潜在能力の高さを聞かされたので、ここは高い潜在能力を持つ悟飯が適任だと思う。

「よし…やってみるか!」

早速抜こうとするが、少し動いただけでそれ以降は全く動かない。

「よし、なら!」

超サイヤ人に変身し、一気に力を入れるとゼットソードを抜いた。

「「「や、やった!!」」」

取り敢えず広い場所に降りて悟飯達は伝説の剣を確かめる。

「どうですか悟飯さん?伝説のゼットソードは…!」

「は、はい…やたらと重いですね…今のところ凄い力は感じられませんが…」

「…?そうですか…?」

「もしかしてゼットソードの重さに慣れて十全に扱えるようになって凄いパワーを手に入れられるんじゃ…」

「うむ、その可能性があるな。恐らく自在に使えるようにならねばゼットソードの真の力を引き出せぬのかもしれん。ここで修行を積み、ゼットソードの力を引き出せるようになるのだ。」

取り敢えず悟飯はゼットソードを背負ってトランクスと組み手をし、次は素振りを繰り返す。

「大分ゼットソードの重さに慣れてきたようですね」

「そのようですな」

「界王神様、魔人ブウの様子は?」

休憩に入った悟飯が尋ねると界王神はある方向を見つめると安堵の息を吐いた。

「眠っています、我々がこの聖域に来てからずっと…恐らく長期睡眠に入ったのかもしれません。運が良い…あれなら2ヶ月は起きないでしょう」

「2ヶ月…それまでに何としてもゼットソードの力を引き出して魔人ブウを倒せるようにならないと……界王神様、他に修行相手になりそうな相手はいませんか?」

ゼットソードを所持したままでの修行は重さに慣れてくるごとに動きが良くなってくるのは分かるが、やはり強くなるには自分達よりも強い相手との修行が一番有効だと悟飯は考えている。

「修行相手ですか…」

「しかし、彼らのような超パワーを持った者がまだ現世にいるでしょうか?」

「やはり駄目ですか…あの世なら悟空さんや悟林さん達がいるから…」

キビトの難しそうな声にトランクスは肩を落とす。

やはり強い人間はそう簡単に見つからないらしい。

「あの世…あの世にならあなた方に匹敵するパワーの持ち主がいるのですね?」

「え?お、恐らく…特に俺の姉さん…孫悟林は俺達より強いはずです」

「分かりました。ではキビト…あの世に行き、孫悟林さんを連れてきて下さい」

「分かりました」

「「え?」」

キビトが瞬間移動で消えてしばらくしてキビトが帰ってきた。

懐かしい姿と共に。

「ね、姉さん…!」

「悟林さん…!」

母親のチチが天下一武道会に参加した時に着ていた青い道着を着た女性…悟飯の姉であり、トランクスの師であるこの時代の悟林が姿を現した。

「お前ら…悟飯と……トランクスか!?でかくなったな…」

「ま、また姉さんと会えるなんて…!それだけでもこの界王神界に来て良かった…!」

「悟林さん…」

悟林が2人に歩み寄ると2人の肩を叩いた。

「悟飯、トランクス…逞しくなったじゃないか。私はお前達を誇りに思うよ」

「「…はい!」」

「大体の事情はキビトさんから聞いている。早速修行を始めるぞ!手を抜くつもりは一切ないからお前ら死ぬ気でやれよ!!」

「「はい、お願いします!!」」

「良い返事だ。ところで悟飯…お前、何で剣なんて使ってるんだ?」

「あ、これはゼットソードと言って…」

ゼットソードの説明をすると悟林が興味深そうに剣を見つめる。

「へえ、昔話の本みたいな剣だな…悟飯、姉ちゃんに貸せ」

「あ、はい。重いから気を付けてくれ姉さん」

「ああ…いっ!?思ったより重いな…この剣が凄まじいパワーをなぁ…」

片手で悟飯よりも簡単にゼットソードを振り回す姿に界王神とキビトは唖然となる。

「随分簡単に扱うね、姉さん…」

自分が苦労して使っているゼットソードを簡単に振り回している姿を見るのは少しショックだったようだ。

「あの世での修行で錘を着けて修行することもあるからな…さて、私が死んでる間、どれだけ腕を上げたのか見させてもらうぞ」

「へへ、この変身には流石の姉さんも驚くぞ!」

久しぶりの姉との会話のためか心なしか悟空に近い雰囲気を出している悟飯。

トランクスと共に超サイヤ人2に変身すると悟林は驚く。

「ほう、超サイヤ人を超えたか。流石は私の弟と弟子だと褒めてやる。だが、残念だったな。超サイヤ人2ならとっくに会得している。それ以上の変身も会得しているからな」

「超サイヤ人2以上の!?」

超サイヤ人2以上の変身を会得している師匠に驚愕するトランクス。

「大サービスだ!しっかり目に焼き付けとけよ!!」

気合を入れると超サイヤ人に変身し、次は超サイヤ人2、それから上の段階に移行する。

気が膨れ上がるごとに逆立った金髪も伸びていき、腰にまで届く長さになる。

変身を終えた時には凄まじい気が悟飯とトランクスに襲い掛かる。

界王神とキビトに至っては顎が外れんばかり驚愕している。

「確か、魔人ブウとか言うのと闘うには2ヶ月くらいはあるんだったな?その間徹底的に鍛えてやるから覚悟するんだな。」

戦闘民族らしい凶悪な笑みを浮かべる悟林に悟飯とトランクスは一瞬、自分の死を覚悟しそうになったのであった。 
 

 
後書き
界王神界って死人の悟空もいられるから生死の狭間の世界みたいな感じなんだろうか? 
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