| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

魔法科高校の劣等生の魔法でISキャラ+etcをおちょくる話

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二百六十九話

 
前書き
大学三年生後期に入り、研究室に配属されました。
以上更新期間が空いた言い訳でした。 

 
2月も末である。

未だに忍野扇からの接触はない。

暦さんが俺に抱いているのが負い目ではないからなのだろうか。

アレの動きが読めないからとロリsとローレライ姉妹をこの街から遠ざけたのは考えすぎだったのだろうか。

まぁ彼女からの接触など無いに越したことは無いのだが。

先日カンヘリアに拉致った羽川翼だが、特に経過は問題なさそうだ。

デュアルコアも正常に稼動中。

今はロリsの家庭教師をしてもらっている。

それと同時にロリsに魔法を習っているらしい。

一応現代魔法のテキストは渡しておいたし、彼女の事象干渉力なら魔法を使えない事は無いだろう。

ちなみに彼女、忍野が何処に居るかの検討は付いてるらしい。

「で、話してもらおか」

「ちゃうんです」

週末家で箒のモフモフ尻尾を抱きまくらに惰眠を貪っていたらコタンジェントに押入られた。

オマケ…いやこの場合コタンジェントがオマケだから本体をつれて、否、乗せて。

早朝急に押し入られたので寝間着のままだ。

箒?

面倒なことになるから眠らせた。

「そもそも何について話せって言うんです?」

「阿良々木君にちょっかいかける理由と、おどれの吸血鬼化についてや。
あんときは詳しく聞く暇もなかったからなぁ」

正直、暦さんを十分以上に強化したから影縫さんはすぐ出ていくと思ってたんだが。

どうも監視のために残ったようだ。

それも暦さんの監視だけでなく、俺の監視も含めて。

そんな彼女は北白蛇神社を拠点にしつつ、俺の家に訪問した。

彼女の態度はそりゃぁもう悪い。

ソファーにどっかりと腰掛け、脚を組んでいる。

どうみても敵に対する態度だ。

「暦さんにちょっかいはかけてませんよ。親戚のよしみで親切にしてるつもりですがねぇ」

「ほーん? 申し開きがあるなら囀ってみぃや。一夏君の立場なら見て見ぬ振りをするのも加害とおんなじやぞ」

天井を見上げ、ふぅと一息。

「そーぉですねぇ。言葉を選ぶなら、あれは”暦さんの”因縁だから放置した。といったところでしょうか」

影縫さんに視線を戻し、目を合わせる。

「それにただただ傍観してた訳じゃない。事前にそれを超えられるだけの力は与えていたし、見て見ぬ振りってのは認めたくないですね」

文句あるかこの野郎、と不満げに返してみた。

「それこそうちの腕をへし折る程度にはな。それも問題といえば問題や」

「素人に力を与えたから?」

「せや」

「貴女や手織正弦のような手合いを跳ね除けるため、と言ったらどうします?」

「ほー?」

影縫さんの機嫌が更に悪くなった。

ブチ殺すぞテメェって感じの顔。

「月日が何かしらの怪異である事は初めて会ったときからわかってましたので。
あらかじめ手を打たせていただきました」

腕と脚を組み、顎を上げて問いかける。

「何か文句でも?」

その答えは指令だ。

式神への、攻撃命令。

「余接」

「アンリミテッド「ニブルヘイム」

この間一秒。

例外の方が多い規則を発動しようとしたコタンジェントの首から下を絶対零度で凍らせ、物理的に封印する。

「まぁまぁ、話し合おうじゃありませんか」

指をつきだす寸前の構えで凍りついたコタンジェントに目を向ける。

コタンジェントが無表情な顔で、それでいて不満そうな顔でこっちを見ている。

肺まで凍りついてるから一言も喋れないが、目は口ほどに物を言うとはこの事か。

「そんなに怒るなよコタンジェント」

イデアへ接続。

対象のコアエイドスデータを20秒遡及。

あ、クソ寒い。

修復地点を固定。

コアエイドスデータ・オーバーラップ。

再生ー開始ー終了。

「ほら、治してやっただろ?」

「凍らせたのもお前だけどな」

影縫さんに視線を戻す。

顎を引き、組んでいた足と手をとく。

「私には敵対の意思はない。それだけは行っておきましょう。だが貴女が敵対すると言うなら応じよう。
加えて旧デストピア・ヴィルトゥオーゾ・スーサイドマスターは私の管理下にあり私の制御下にある。
貴方の愛しの暦さんにも敵対の意思はない。
私なりの善意で動いているつもりだ」

「善意やと?巫山戯るのも大概にせぇよ」

見せつけるような指を鳴らすパフォーマンス。

どうやら誤魔化しだと思われているようだ。

「ふざけてなどいない。私は私の良識と善意に基づいている。
それが気に入らないなら、いいだろう。喧嘩でも戦争でもやろうじゃないか」

指パッチンで手の中に量子展開したオプション無しのキャリコM1000のエアソフトガンを向ける。

「お前鳥頭かよ。さっきのセリフはどうした。喧嘩腰じゃねぇか」

「いいツッコミだコタンジェント。プレゼントはこの銃だ」

左手で銃の先端を持ち、差し出す。

「いらねぇよ。おもちゃじゃねぇか」

「あ、そ。せっかく今ならサイコEカーボンのBB弾つきだったのに」

量子格納庫に銃を戻す。

「私は暦さんとは10年来の付き合いだ。そこに悪意などない。
あるのは純然たる善意と好意だ。
まぁ、かれならば地獄の道は云々と言うだろうがね」

「その言葉に偽りはないな?」

その鋭い眼光が真っ直ぐに俺を射抜く。

「一応吸血鬼も悪魔と呼ばれる事もあるからね。嘘はつかないよう気にかけているよ」

「そうか。ならええわ」

用事の一つは終わったようだ。

「じゃぁ2つ目。おどれの吸血鬼化についてや」

「ふむ。力が欲しかったから。じゃ納得してくれませんか?」

「それなら他の怪異でも、それこそ今憑依させとる猫又でじゅうぶんやろ」

と俺の頭にピンと立っている猫耳に目を向けた。

「それはもう私に運が味方したからですよ。ドイツ旅行の際に、旧デストピアと遭遇し、すったもんだあってイギリスまで追ってきたので調伏しました」

「ふーん。じゃぁやっぱ聖剣事件は」

「ええ、まぁ私です。ですがあのときやった事は吸血鬼になる前、魔法使いとしての私でもできる事です。ヤツの血は一滴も飲んでませんし」

「あの殺し方。吸血鬼の残虐性の発露とちゃうんか?」

「ああ、それは関係ないですね。アレは両親の仇討ちでしたから」

「詳しく聞いても?」

「アレは昔日本の研究所にいましてね。私の両親の研究結果を奪い、両親を殺した主犯ですよ。
だから殺した。因果応報です。
たとえその時にオカルトの力を使っていても、この件だけは貴方方や司法に介入はさせません」

司法が介入するのはそもそも不可能だ。

何故なら証拠がないから。

影縫さんは出された紅茶を全て煽ると立ち上がった。

まったくブレのない、綺麗な動きだ。

「お帰りですか? 朝ごはんご一緒にどうです?」

「いらん。さっき食べてきた」

「そうですか」

見送ろうかと思ったが、彼女はスタスタと出ていった。

しかしリビングのドアを開ける前、ドアノブを捻って、押す寸前でピタリと止まった。

「今日ここに来たのは、臥煙先輩の遣いや」

「随分とまぁ信頼されてないこって」

「『私が言ってもはぐらかされるから』やって」

「それはアレの聞き方が悪い。はぐらかしてほしそうなアレが。
まぁ、アレはボロを出させてもっと情報を聞き出したいんでしょうけど」

「同感」

「でしたらさっきのキレ芸は演技ですか」

「いや。本心や。理由はどうあれ、自ら怪異の道に踏み入れた愚か者には、相応の対応をとる。当たり前の事や」

フッと笑った影縫さんは、ほなまた、と言って本当に出ていった。

コタンジェントの上に乗って。

「もう一眠りくらいするか」

茶菓子とティーカップをシンクに置いて、二階へ上がる。

寝室の戸を開けると、箒は眠っている。

さっき眠らせたしな。

「くゅ…。影縫さんかえったのか」

ベッドに入ろうと手をついた瞬間に問われた。

「効いてなかったか」

「いや…効いてるぞ。ねむい」

そう言って箒はモフッとした尻尾で俺を抱き寄せた。

「ふにゃっ」

尻尾で巻き取られ、ベッドに引きずり込まれる。

そのまま獣化率を上げたと思われるモフモフの四肢で俺を絡みとる。

かと思えば見上げると何か上手いことメスケモ化している。

器用な奴だ。

「くゅぅ」

「んにゃぁ」

むちむちモッフモフの胸に顔を埋める。

そのまま一眠り。

ああ、幸せだ。 
 

 
後書き
研究室の3Dプリンターでガンプラのパーツ作ってたら怒られたので自前で買ったんですよ。
いいですね3Dプリンター。自分の思ったものが立体で出てくるとか脳汁ドバドバですよ。
多分いまの私にセルメダル突っ込んだらいい感じに増えると思うんですよね。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧