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ハッピークローバー

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第四話 テスト勉強その十三

「あの人実は」
「それ言われてるみたいね」
「でしょ?結局子供が怖くてね」
「ああした態度だったから」
「父親になれなかった人ね」
「強がっていてね」
「それで一連の所業だから」
 作中でのそれだというのだ。
「だからね」
「子供なのは事実ね」
「そうよね」
「まあね、そんなのだからゲームだとね」
「扱い悪いのね」
「大抵最後死んでるわ」
 そうなることが多いというのだ。
「かな恵も知ってるみたいだけれど」
「だからあの子死んだ時ガッツポーズするのよ」
 かな恵はここでは仕草、ガッツポーズのそれをした。右手を拳にして大きく掲げて笑顔になっている。
「やった、死んだってね」
「本当に嫌いなのがわかるわ」
 富美子が聞いてもだ。
「あの子そうなのね」
「何でもあの作品が出てるとあのお父さんがどう死ぬか」
「それが関心ごとなのね」
「性格悪くて女の人にもてることがね」
「嫌いな理由ね」
「特にあの娘金髪の人好きだから」
 髪の毛をそう染めている彼女がというのだ。
「尚更ね」
「嫌ってるのね」
「三佐さんも好きみたいだけれど」
「あの子年上趣味?」
「あっ、そうかも」 
 富美子のその言葉に気付いた顔になった、視線が上を向き右の人差し指が唇の前に来てそうなった。
「言われてみたら」
「そうよね」
「好きな女優さんやアイドルの人もね」
「年上の人なのね」
「そうした人ばかりだし」
 それでというのだ。
「言われてみるとね」
「そうよね」
「いや、確かにね」
 かな恵はあらためて述べた。
「あの子そうかもね」
「ええ、というか私情も入って嫌いなのね」
「みたいね、けれど大抵終盤まで死なないし」
「あの補完計画なんて終盤で出るイベントだしね」
「でっかいお話だから」
「それじゃあね」
「だから早く死ねってあのキャラ画面に出る度に言ってるの」
 私情を交えてというのだ。
「巨人は負けてね」
「あの人はそうなれ」
「そう言ってるの」
「まあ巨人は私達も皆嫌いだし」
 富美子はそれはいいとした、五人共阪神ファンだから尚更だ。
「それはいいけれど」
「まあそうよね」
「巨人なんて負けていいし」
 一向に構わないとだ、富美子はまるで道の端の石を見る様な目で述べた。
「毎年百十敗してるけれど」
「それでもね」
「負けていいけれどあのキャラについては」
「心の奥底から嫌いみたいで」
「お気に入りのキャラ愛人にしてるから」
「性格も嫌いで」
 その為にというのだ。
「それでね」
「ゲームしていてなのね」
「一刻も早く死ねってね」
「言いながらゲームしてて」
「死んだらね」
 その時はというのだ。 
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