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僕は 彼女の彼氏だったはずなんだ 完結

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11-⑷

 お店は休みの日だが、私は、明璃ちやんが清音を連れてくるというので、待っていた。そのうち、バイクが2台お店の前で停まった。ヘルメットを脱いだ時、確かに、清音の顔が見えた。前にチラッと見た赤茶ではなくて栗色の長い髪の毛を後ろで束ねていた。

「店長 来たよー」と、明璃ちゃんが元気よく入ってきた。そして、その後ろから清音が黙ったまま付いてきていた。

「清音」と、思わず言ってしまったのだが、眼をそむけるように下を向いたままだった。

 明璃ちゃんと並んで、私と向かい合って、座った時も、下を向いたままだった。

「元気そうね」と、声を掛けたけど、黙ってうなずいただけだったのだ。明璃ちゃんが、清音の腕をこつく仕草をしていたけど、やっぱり、黙っていた。

「清音 会いたかったわよ 元気でいてくれて良かったわ」と、言った時、初めて口を開いた。

「ウチはどうでも良かったんだけど、明璃とおばあちゃんが・・ 会わなきゃダメだって・・」

「清音 離れ離れになった時は、本当にごめんなさい 私 あの時、お父さんのことばっかりで・・ 」

「お姉ちゃんは、私なんか どうでも良かったんよ! ほったらかしで、見捨てたのよ! あの時」清音は、初めて、私の眼を見て訴えてきた。

「違うのよ でも、ごめんなさい 確かに、あの時、清音のこと守ってあげれなかった ごめん」

「美鈴さんの知り合いだっていう、堤さんとか田中のおばあさんには、世話になったわ でも、ウチは、まだ、恨んでいるのよ あん時のこと あん時、すごく、不安だったのに 見捨てられたようで・・誰にも、相談できなくて・・」と、清音が言った時、それまで、黙っていた明璃ちゃんが

「チョット 清音 いい加減にしなさいよ! お姉ちゃんが妹のこと見離すわけないじゃぁ無い 美鈴さんが、どんだけあんたのこと心配していたかー 私にも、お姉ちゃん居るけど、私がどんなことしても、いつも、見守ってくれているわ 美鈴さんだって、ずーと、あんたの心配していたのよ! あの時は、きっと、美鈴さんは、お父さんのこと、お店のことでいっぱいいっぱいやったんよ それから、お父さんのお世話をずーとやってきて、ここまで、来たのよ あんた 何をやったの? 大好きなお父さんのこと考えた? 何にも、考えていなかったから、流されてしまったのよ 美鈴さんを恨むなんて、大間違い 自分で何もしないで、他人のせいにして・・ 美鈴さんは、お父さんの世話をずーと献身的に・・ 感謝しなさいよ それくらいのことわからない清音じゃぁないでしょ 私、清音のこと大切なダチだと思っているから、言い方きついけどね 清音にグズグスしてほしくないから」

「明璃 ・・・ お姉ちゃん ごめんなさい ウチ 明璃の言う通りだった」と、ポツリと言って、下を向いたまま、泣いていたみたいだった。

「清音 お父さんも、会いたがっているみたい 元気にしているって聞いて、安心していたよ また、3人で楽しくねー・・ お母さんは・・」私は、席を立って、清音を抱きしめに行った。

「お姉ちゃん ウチ 本当は、会いたかったんだよー お父さんにも・・ でも、あの人のことは・・知らない どうしているか でも・・私は、もう、あの人の子供じゃぁない 会いたくない」と、清音は言っていたのだ。

「よーし 手打ちが終わったところで 清音 バティングセンター行こうぜ」と、明璃ちゃんが突然

「えー なによー それ ウチ 出来ない」

「やってみないとわかんないよ 教えるから 今までのこと スカーっとしようよ」と、清音の腕を引っ張っていた。

「清音 今晩 ウチに来て ご飯、一緒に食べようよ お父さんも、喜ぶよ」と、私が誘ったら

「うーん おばあちゃんも待っていると思うし 今度にするよ そのうち、お店に顔だすから」と、言って、明璃ちゃんと手をつないでいた。

「明璃ちゃん ありがとうね」と、出て行くときに言ったら

「えへー なにがー 普通だよ」と、照れるように言っていたから

「あのね 昇二が好きになったのがわかったよ なるほどなーって」

「やだー それは、言わないでよー」と、清音と連れ添って走り去っていた。その後、私は、涙が出てきて止まらなかったのだ。




 
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