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星河の覇皇

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第七十九部第二章 観戦武官達の動きその四十

 彼はパーティーに出て各国軍の軍人達と会話をしつつ寿司も楽しんだ、そのうえで共にパーティーに出ていたこの艦の通信士に言った。
「いいパーティーだな」
「はい、場も和やかで」
 通信士は百八十五センチと連合ではやや小柄なアフリカ系の人物だ、軍服は中央政府軍少尉のものだ。
「和気藹々としていて」
「誰もが親しく話をしていてな」
「私もいい感じだと思います」
「まことにな、何故かな」
「何故かといいますと」
「連合はこうした時はな」
「親睦が深まりますね」
 それが連合という国だというのだ。
「何かといがみ合う国ですが」
「しかしな」
「パーティーや祭りになりますと」
 まさにというのだ。
「親密ですね」
「今現在いがみ合っている国同士でもな」
「それも連合ですね」
「そう思う、だからな」
「いがみ合っていても」
「連合という国はだ」
 この枠組みはというのだ。
「崩れないのだ」
「左様ですね」
「不思議な国だ、千年の間衝突が続いているが」
 しかしというのだ。
「それでいて親密な時も多い」
「だから国として存続していますか」
「連合はな」
 まさにというのだ。
「衝突と融和がな」
「共にある国ですね」
「不思議な国だ、いい国と言えばな」
「いい国ですね」
「愚かな部分も多いが」
 衝突だけでなくだ、他にもそうした部分は多いというのだ。艦長はパーティーの列席者達が談笑するのを見つつ通信士に話した。無論寿司も食べている。今食べている寿司はトロそれも大トロの握りだ。
「いい部分はそれ以上いや悪い部分より遥かにだ」
「多いですね」
「それが連合だ」
 この国だというのだ。
「エウロパともマウリアとも違う」
「そしてサハラとも」
「違う、今我々はサハラにいるが」
 それでもというのだ。
「連合のよさがわかるな」
「異国にいる分」
「連合の衝突は武力は使われない」 
 政治や経済、そうした分野での衝突なのだ。
「しかしサハラは違う」
「千年の間戦乱が続き」
「戦禍が絶えずな」
「戦闘がなかった日がなかった」
「アッディーン大統領やシャイターン主席が出て来るまではな」
 まさにそれまではというのだ。
「そうした地域だった」
「だからこそ」
「血生臭い、連合とは違う」 
 まさにというのだ。
「こうしたものはな」
「連合にはないだけに」
「慣れないな」
「どうしても」
「食事も他の生活もな」
「連合と比べると」
「全く違う」 
 文明的な違いだけではない、彼等から見ると連合とサハラでは生活レベルも全く違っているのである。
「お陰で小国の大使になると」
「大使館という名の一軒家に住んで」
「連合風の家のな」
 その生活レベルがである。 
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